BBCとネットフリックスの共同制作ドラマ『義理恥』を紹介します。
物語は、1年前に亡くなったとされる弟(窪塚洋介)がイギリスで生きているかも、という情報が入り、主人公の刑事(平岳大)が渡英するところから始まります。
「義理恥」という題名の印象からドンパチメインだと思っていたら、恋愛・兄弟愛・親子愛・夫婦愛・師弟愛などなど、”愛”がたっぷり詰まった大人なドラマでした。
さらにこのドラマの1番のオススメポイントといえば、日本人キャストが渋いところ。とにかく渋い。渋すぎる。
大手プロダクションの俳優で回す日本のドラマや映画に飽き飽きしていたので、これはなかなかの新鮮さです。未知の世界を覗いているような気分でときめきました。
・キャスト
・1話:弟の行方
・2話:弟の過去
・3話:兄弟の再会
・4話:ヤクザの娘との恋
・5話:父親の最期
・6話:孫の救出
・7話:迷える子羊たち
・最終話:何もかもめちゃくちゃだ
・あとがき
キャスト
★森 健三(平 岳大)
日本の刑事。両親・妻・娘と暮らす。
★森 勇人(窪塚洋介)
健三の弟
★セーラ(ケリー・マクドナルド)
ロンドン市警の刑事かつ犯罪学の講師
★森 多紀(奥山 葵)
健三の娘。16歳
★森 麗(中村優子)
健三の妻
★森 ナツコ(丘みつ子)
健三の母
★ロドニー(ウィル・シャープ)
ロンドンに住むゲイ
★林警部(津村和幸)
健三の上司
★福原(本木雅弘)
福原組の組長
★栄子(アンナ・サワイ)
福原の娘
★遠藤 信(小林勝也)
遠藤組の組長
1話:弟の行方
ロンドンにて
男が脇差で背中を刺される事件が起きる。
東京にて
ある男が和食屋で食事をしていると銃撃に遭い、死亡。
ちょっとこの和食屋がツッコミどころ満載で面白い。お箸がめちゃめちゃ長いし。どんぶりの白飯の量がハンパない。ランチっぽいけど、徳利とおちょこ。まぁ頑張りは認める。
どうやら殺された男たちは、福原組のヤクザらしい。
おうち訪問
夜、福原組の組長(本木雅弘)が健三(平岳大)の自宅にやってくる。
家族が暮らす家にこんなの来たら迷惑だよね。お茶菓子なにを出したらいいか困るし。てか立ち話なのね。
ロンドンで背中を刺された男は、遠藤組長の甥・三郎とのこと。殺害に使われた脇差が福原組長のものだった。
しかしその脇差は、1年前に死んだとされている健三の弟・勇人(窪塚洋介)が持ち去っていたものらしい。
そんなとき林警部登場。
健三は、ロンドンの大学で学生をしながら、弟を探し出すよう命令される。
仕事とはいえ、自宅にヤクザと警部が入ってきたら、離婚を考えるわ。
1年前
弟の勇人は友人のソラと江戸川のノミ屋に盗みに入る。そこにいた男にソラを殺されたため、その男を撃った。
勇人は兄の健三に助けを求める。
健三は現場へ出向くと、撃たれた男はまだ生きていた。息の根を止め犯人隠蔽する。
警察官なのに悪い男だ。
ロンドン
健三はさっそくロンドンへ。
学校へ通いながら勇人捜し。どうやらロンドンに伝説のヤクザがいるらしい。その男が勇人かもしれない。
なんとかして三郎殺害事件の入室の暗証番号をゲットし、現場検証。
健三さーーん!遠くから狙撃手に狙われてるよーーー!!
2話:弟の過去
ロンドン、11カ月前
バーで狙撃手ドナのボス・アボットがやられて、勇人(窪塚洋介)が助けたらしい。
おばさんのようなひっつめ髪なのに、この華やかさは何なんだろう…。大人の色気がすごいよ。
アボットは勇人が小指が無いことに気付き、ヤクザだと悟る。勇人は東京の福原組に雇われて殺し屋をやっていたと自分から売り込んで、アボットの用心棒となる。
現在
東京の和食屋での銃撃事件で勇人を探しに刑事が来るかも。アボットはドナに日本から来る刑事を排除するように命令する。
あぁ、だから1話の最後に鉄砲で狙われていたのね。
ドナは、狙う相手が勇人の家族だとわかって、殺さずに日本へ帰るよう忠告する。
谷チカは森勇人
健三が通う学校の先生・セーラから、事件の容疑者を調べてほしいと依頼される。その人物は”谷チカ”という名前だが、写真は勇人そのもの。こんな偶然あります??
健三は知らないふりしてやりすごす。
結局、健三はセーラに真実を暴露。この先恋に落ちそうな予感。
なんやかんやあった後、娘の多紀が行方不明に。そして部屋に帰ると勇人がいた。
3話:兄弟の再会
久々の再会を果たした兄弟。顔の系統が全然違うね。
勇人は兄を巻き込みたくないから帰って欲しいとお願いし、姿を消す。
その後、健三はヴィカーズと一緒にアボットの事務所を訪れる。勇人を返してほしいと交渉するが決裂する。
多紀渡英
健三の娘・多紀は家出して、1人でロンドンに来る。子供なのにすごっ。父娘の会話の距離感が日本には無い近さでちょっと苦手…。
多紀は父親の協力者ロドニーと仲良くなって、セーラと4人で食事会。
バターまみれの食事が口に合わず、多紀はお腹ペコペコ。これはちょっとセーラが気の毒。少しくらい食べろよ。
福原邸にて
敷地内に何者かが侵入。見張っていた刑事の俊夫たちは福原に応戦する。
ロンドンにて
アボットは関係者全員をディナーに招待する。
ヴィカーズはレストラン襲撃を計画し、健三を誘い、レストランへ。
健三が勇人に危険を伝えると、勇人はアボットのもとへ。情報が筒抜けですわ。
「全員 戦闘準備だ!」
レストランで銃撃戦が始まる。
悪そうな大人の男たちがぞろぞろとレストランに集まるのかっこいいね。てか、イマイチ戦いの目的がわからない…
4話:ヤクザの娘との恋
レストランで銃撃戦。お店がめちゃくちゃ…
一方、福原の自宅でも銃撃戦。自宅はやめてあげて…
勇人の話(1年前の事件後)
勇人は健三のおかげで郵便配達の仕事に就く。こんなかっこいい郵便屋さんいます?
真面目に働いているところに、福原組の組長に呼ばれ、組に入るようスカウトされる。モックンと窪塚くんの2人が画面に映ると華やかですごいよ。
仕事は組長の娘・栄子の運転手。栄子さんはアジアンビューティーだね。急激に仲良くなってベッドイン。てかほんとに急すぎてビビった。
勇人は遠藤組の組員を殺したからけじめをつける時が来たらしい。福原組と遠藤組の組長の前で、勇人は小指を切断した。
「これで一件落着だ」
みんな仕立てが良いスーツ着てて素敵。
そんなこんなで、栄子は勇人の子を妊娠する。勇人は結婚を望むが、組長の命令で命を狙われる。ヒドイ…。組長は妻を殺されたときに、娘を絶対ヤクザの嫁にやるまいと決めてたらしい。
「彼女は俺を愛してます」
「そのうち忘れるよ」
はー、まぁしょうがないよね。勇人は脇差を奪って逃走。
そして2話のアボットとの出会いに繋がる。
セーラの話
イアンと職場恋愛中のセーラ。しばらく上手くいっていたのに、イアンはセーラとの関係に疲れてギクシャク。
そんなとき、セーラはイアンがいかがわしい取引をしている現場を目撃する。その現場で容疑者が捕まるが、セーラはイアンを証拠捏造で告発し、イアンは逮捕。禁錮6年間の判決が下る。
過去にこんな事があったから、職場で窓際族っぽい扱いだったのね。なる~。
レストランでの銃撃戦に戻る
ワインの倉庫で撃ち合いはやめて~
結構派手な撃ち合いで、その中に窪塚洋介と平岳大がいるなんて不思議な光景だし、かっこいいよ。
最後は哲学的だったね。物悲しい雰囲気。4話好きかも。
5話:父親の最期
ロンドンにて
銃撃事件で町は大騒ぎ。避難命令で外へ出た多紀が、倒れている勇人を発見。セーラの家に連れて帰る。
勇人は爆弾の破片が胸に入って瀕死状態。健三が手術(!)する。
セーラはロンドン市警の人間なのに、ヤクザをかくまってるなんて、バレたら相当ヤバいでしょ。健三と付き合ってもないのに、お人好しだよね。
東京にて
福原は撃たれ、救急車で病院へ。
林警部は健三から勇人はまだ見つかっていないと報告されていた。でもなにか勘付いてるっぽい。
父さんの死
健三の父はいよいよらしい。妻が健三に電話し、父さんと会話をする。
「勇人。わしゃ、心細い。勇人…」
「うちに帰るから。父さん待ってて」
健三は勇人のふりをして返事をする。切ない…。しばらくして父さんは亡くなった。
その後、健三は勇人を見つけたと、母親にメッセージを送る。
死に際の父さんが勇人のことばっかりだし、その勇人のせいで自分は親の死に目に会えなかったし、イライラで勇人に八つ当たり。
勇人はそんなの頼んでねーよ、って、その通りだよね。
勇人は義姉(健三の妻)に、自分の子供の救出作戦で頼みたいことがあると電話する。赤ちゃん生まれたんだね~。おめでと
えー、これどういう結末になるんだろう…
6話:孫の救出
父の弔い
健三の妻は、落ち込む義母に孫の存在を明かす。2人で勇人の子供・ソラを救出するために、作戦を練る。
通夜の後、火葬の日程を無理やり早めてもらい、父は骨となる。嫁と姑で”橋渡し”をして壺に収骨する。厳かな雰囲気。
ちょうどそのころロンドンでも、健三たちが砂浜へ行って、父の追悼式をする。だだっ広い海岸でとっても強い風が吹いていて、心の穢れや罪を洗い清めてくれているみたい。
日本とロンドンでのことがリンクしていて、このシーン好きだな。
その後、勇人は1人で逃げようとするが、栄子の幻想を見て思い留まる。
娘の多紀
多紀はイギリス人の女の子に恋をしていた。父親にカミングアウト。
「そうか。それは新しい展開だな」
ちょっとこの日本語笑ったわ。健三はショックを受けつつ娘の恋に理解を示す。
勇人の子供救出劇
健三の嫁と母は、栄子の拘束場所にやってくる。掃除のおばさんに扮して入室成功。部屋の奥には栄子とソラがいた。ここ感動した。
ばあさんが嫌味ばっかりで面白い。こういう人いるよね。
荷物をまとめていると、見張りの男に見つかる。嫁がハサミで男の脚を刺し、そのすきに脱出。車で逃走。
脚を刺した時はざまぁと思った。スカッとするね。女3人の緊張感のある関係がなんだかわかるわ~。
セーラの元カレ問題
元カレのイアンは、セーラの家で勇人をかくまっていることを知り、セーラに忠告する。
あぁ!そういえば過去にセーラはイアンを告発したよね。そうきますか!これは言い訳できないなぁ…。ツライ
なんだか全体的にお洒落な雰囲気だよね。6話も面白かった!
7話:迷える子羊たち
遺骨と母子と嫁姑
隠れ家へ向かう途中、食堂にて栄子が男にナンパされバカにされる。
仕返しとして、男のヘルメットにうんちのついたオムツを仕込む。さらに外に停めてあるバイクのタイヤにナイフを刺す。ちょっとやりすぎじゃない??
その後、男が通報したせいで、パトカーに止められる。通報内容から加害者なのはバレバレだけど、婦警さんは見逃してくれた。
いいね、楽しい。
セーラとイアンの話し合い
イアンは報復のためにセーラを告発しようと考えてるみたい。でもセーラが健三に惹かれているのを悟って、水に流すことにしてくれた。
イアン意外といいやつ~
セーラとイアンが和解したことを知らない多紀とロドニーは、イアンをやっつけようと画策。道を歩くイアンは薬物所持で逮捕される。
あちゃー、と思ってたら、車に轢かれたー!!オーマイガー!
健三と勇人の話し合い
健三は、黙って嫁と母親を巻き込んだ勇人に激怒する。
10年前のノミ屋での事件の話になり、二人は決別(というか上手く文章をまとめられない…)
良い!二人の演技良い!!
健三と嫁の関係
ずっと長く居すぎて同士みたいな関係になってるみたい。散々帰ってきてほしいって言ってた時は帰ってこなかったのに、今日は「日本に帰るよ」とか見せかけの優しさを披露。
嫁はその言葉を拒否。女の「助けはいらない」宣言は別れの言葉だよね。アーメン
その後、どん底の健三とセーラはキスをしてベッドへ。え?早くない??まぁ嫁にちゃんとサヨナラしてからだから、大目に見てあげる。
混沌とした世界だ…。おもろー
最終話:何もかもめちゃくちゃだ
栄子たちはばあさんの実家に身を隠す。まんまとヤクザに見つかり、フライパンと鎌で戦おうとしている女性陣。
とつぜんロイとかいう見ず知らずのおっさん登場で、ヤクザをやっつけてくれる。ロイって誰や??
ロイは、健三と交換プログラムで日本に来たイギリス人とのこと。最初の話数を見返したらロイいたー!!日本のデブの刑事と行動を共にしてた。めっちゃ出演してて笑える。全然目に入ってなかったわ…
福原を始末するためにアボットが日本に送り込んだんだね。
てことは、ロイは栄子たちの敵。もーややこしい。
3人はロイに抵抗し、助かった模様。
ヤクザの会合
親分連中を集めて停戦協定を結ぶための会合を開く。
中央で取りまとめている人が長与千種に見えるんだけど、違う?
福原は遠藤の脇差で小指を切る。
「もう少しだな」
遠藤のリクエストでさらに薬指も切った。ひえ~
せっかく指を切ったのに、遠藤に頸動脈を斬られ福原は死亡。親分連中は喧嘩両成敗と称して遠藤をのけ者にする。
ロンドンにて
日本から来た福原組の組員は、多紀を人質にとり、屋上で待つ。
健三たちが現れ、一触即発。
多紀は静かに屋上のフチに立ち、飛び降りようとする。父親が拳銃で人を殺そうと構える姿を見て、気が狂ったらしい。そりゃそうだ。
足が滑って落ちそうになった時、ファンタジーな世界へ。
急にみんなで踊りだす。ど、どうした??
天国から来たお父さんも踊りに参加。勇人に会いたいって言ってたもんね。笑えるけどなんか泣ける。明るい未来も無いし、何も考えられなくなって、踊るしかなかったんだよね。それならしゃーない。
その後、福原の組員3名を射殺。健三は勇人を逃がす。
「逃げ切っててほしい。どこか安全な場所へ」
カフェにいる健三とセーラと多紀はぼんやりとして、静かな時が流れた。
ー完ー
修羅の道に堕ちてしまった人間のなれの果てだね。
陽の雰囲気な勇人はこんな結末でも幸せそう。物悲しいエンディングがお洒落だ。
あとがき
もっと男臭いドラマかと想像してたけど、壮大なラブストーリーだったね。
最初、世界観に慣れるまで時間がかかったけど、3話くらいからグッと引き込まれて、最後までずっと面白かった。1話で脱落しなくて良かった。
日本のヤクザ映画に比べると、とても品があって観やすい。
平岳大さんは、何かのドラマで見たことあるようなないような、ないようなあるような…。声が渋くて淡々とした演技が良かった。派手さは無いけど、向こうの役者に混ざっても引けを取らず、存在感があった。
窪塚くんはこんなにかっこいい男性に成長してたなんてビックリ。20年前くらいの顔しか記憶になかったけど、見事に上書きされた。色気がすごいね。
女性陣(セーラ・森家三代・栄子)も良かった。みんな一生懸命でそれぞれ共感が出来た。
個人的には日本のデブの刑事(トシオ役の勝矢さん)が好き。空気が読めないふりして意外と使えるんだよね。
あぁ感想があふれ出てくるってことは、楽しかったんだな。書き足りないけどこの辺で。
★義理恥の脚本家ジョー・バートンの作品「ネイサンと悪の血脈」ネタバレ感想はこちら
福原組員の次郎役は俳優の誰ですカルディ?
ムキムキの人ですよね?
キャストはドラマ最後に流れるクレジットを凝視して調べました。
あらすじ楽しかったです。一点気になったことがあります。ユウトが襲ったのは「飲み屋」ではなく「ノミ屋」だと思います。ノミ屋は競馬や競艇など公営競技の結果に関するヤミの賭け屋の総称で、ユウトとソラはその賭け金を盗みに入ったのだと思います。
え?!そうなのですね!
飲み屋なのに焼き鳥焼く機械とかないし、なんかおかしいと思ってました。おかげでスッキリしました。
ありがとうございます。
その部分、書き換えておきます。
完結なんですか?続くの?個人的には続けようがなく完結っぽいんですが。
私も完結がいいです。
登場人物の未来を勝手に想像して余韻を楽しみたい。
私もデブ刑事好きでした。
生きていてほっとしましたw
コメントありがとうございます!