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横山光輝『三国志』1~10巻あらすじネタバレ感想


1971年から1987年に渡って連載された横山光輝先生の漫画『三国志』を紹介します。

舞台は西暦184年の中国。行商人の男が実は王族の血を引いていて、荒れる世を統一していくお話。

なぜ急に読もうかと思ったかというと、もうすぐ公開される福田雄一監督の「新解釈・三国志」を観て、新しい解釈をしたかったから。

とりあえず1巻だけのつもりだったのが、面白くてとまらない。全60巻のうち、まずは1巻から10巻です。

1巻:桃園の誓い

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中平元年(西暦184年)

行商人の劉備玄徳りゅうびげんとくは、1ヶ月に1回くる交易船で、母へのプレゼントとして高価なお茶を購入する。

帰る途中、町を襲う髪に黄色の巾をかけている黄巾賊こうきんぞく(教祖の張角が率いた農民反乱軍)に出くわす。

そこで劉備は和尚に助けられ、鴻家の芙蓉姫ふようひめを託される。

張飛翼徳ちょうひよくとく

その後、鴻家の家来の張飛が現れ、黄巾賊をやっつけてくれた。お礼に代々伝わる剣をあげる。

帰宅すると、母に剣がないことがバレてしまう。母曰く、劉備は帝王の血筋で、あの剣はその身分を示す剣だったとか…

ある日、張飛が劉備の前に現れる。もらった剣が持ち主が違うと泣いているとのこと。それを聞いた劉備は血筋を明かす。

関羽雲長かんううんちょう

張飛は劉備を主君として生涯つかえることを決め、義兄弟の雲長を誘う。そして2人で劉備の自宅を訪ねる。

「男は立ち上がるべき時に、立ち上がらねばなりません」

母はこの時が来ることを待っていた。満開の桃園で宴席を準備し、そこで3人は誓いを立てる。

噂を聞きつけた村人たちが加わり、義勇軍が結成される。

感想

劉備はとんとん拍子ですごいね。展開の速さに心掴まれた。
百姓として過ごしてきたのに、突然、王の血を引いてるとか母にカミングアウトされるのキツいだろうな。今だったらDNA鑑定したいところだけど、劉備はすんなり信じるんだよね。そして母さんの王を育てる覚悟がすごいわ。

 

2巻:黄巾賊退治

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幽州の太守・劉焉りゅうえんのもとを訪れた劉備たちは、国を守る宣言をする。

そして鄒靜すうせい将軍の隊に加わり出陣することに。さっそく勝利を収め、すぐに2度目の出陣となる。そして勝利する。

続いて、黄巾賊の正規軍と戦う盧植ろしょく先生がいる広宋を目指す。ちなみに盧植先生とは、劉備が幼少の頃に文学や兵法を教えてもらった恩師だった。

広宋では長期戦となり、劉備率いる義勇軍は、朱儁しゅしゅん将軍の陣に加わることに。夜に奇襲を仕掛ける。

すると官軍騎兵を率いる曹操孟徳そうそうもうとくと出会う。二人は声をそろえて凱歌をあげた。

500名足らずで勝利を収めた劉備たちは、朱儁将軍から私兵扱いされる。

朱儁将軍は命知らずな義勇軍を利用して、妖術を使う張宝大将がいる鉄門峡攻めを命じる。劉備は、妖術ではなく地形と気象を利用していることを見抜き、断崖をよじ登って奇襲をかける。

そして張角の弟・張宝を討ち、数万の黄巾賊もやっつけてしまう。

感想

戦法が色々あって面白いね。官軍になるにはどうすればいいんだろう。賄賂とか渡して帝に取り入るのかな?

 

3巻:漢室の風雲

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黄巾賊がすべて亡び、街じゅうお祭り騒ぎ。しかし、義勇軍の劉備たちは城内に入れなかった。

政府の政治を行う10人の高官(十常侍じゅうじょうじ)は、無能な帝の裏でやりたい放題だった。活躍した劉備の褒美は、地方の警察署長に任命されただけだった。そこで義勇軍は解散となる。

それから4カ月後

警察署長として働く劉備のもとに、帝の使者・督郵とくゆうがやってくる。

督郵は賄賂を渡さない劉備を陥れようとするが、張飛がお仕置きする。関羽は、こんな小さな村で暮らすために、あのとき立ち上がったのではないと言う。

劉備は住む場所を間違ったと気付き、村を後にする。

とりあえず3人で旅を続けるが、身の危険を感じ、しばらくバラバラで身を隠すことに。

宮中のごたごた

そんなとき、漢の悪政のせいで、あちこちで謀反が起こりはじめていた。帝はお家騒動やアル中で体調を崩し、亡くなってしまう。

そして帝の義兄の何進かしん将軍は、帝の母・董太后を暗殺する。さらに各地の英雄を呼び寄せ、天下をおさめようとするが、十常侍に打ち首にされてしまう。

感想

てっきり警察署長としての村の生活を見せてくれるかと思ったら、すぐに退職しちゃったね。確かに村の平和を守ってる場合じゃない。これからの劉備の出世を楽しみにしてる。

 

4巻:乱世の奸雄かんゆう

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何進将軍の妹が生んだべんは、帝の死で新帝となる。しかし、次妻が生んだ弟の陳留王ちんりゅうおうの方が王者の風格を備えていた。

董卓とうたく将軍はそれを見抜き、陳留王を帝に立てて、洛陽を支配しようとしていた。

そこで反対の声をあげた丁原ていげんが目障りになり、弓矢の達人で丁原の養子の呂布りょふに取り入り、丁原を殺害させる。

さらに董卓将軍の部下の李儒は、何進将軍の妹と新帝を2階の窓から突き落とす。

やりたい放題の董卓将軍を政府の高官たちは苦々しく思っていた。

35歳の曹操

曹操は董卓を暗殺する代わりに、王允おういんの家に伝わる七星剣を手に入れる。

しかし暗殺を失敗し、馬で逃走する。知り合いの家を訪ねるが、スパイだと勘違いして皆殺しにしてしまう(!)

俺のいうことは正しい
俺のなすことも正しい
俺は天下に背こうとも
天下の人間が俺に背くことは許さん

その後、曹操は父親に金持ちを紹介してもらい、兵をあげて董卓を討つ作戦に出る。帝の密命だとはったりをかまし、各地の将たちは続々と河南に集まった。

感想

曹操ぶっとんでてカッコいいよ。これくらい頭おかしくないと、この時代のリーダーなんて務まらないだろうな。

 

5話:董卓追討軍

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曹操のげき(招集するための文書)にこたえた兵が、河南の陳留に集結した。その中には劉備・関羽・張飛もいた。

曹操は総大将に袁紹えんしょうを任命し、孫堅そんけんが先陣をきった。

そんななか、袁紹は孫堅が裏で天下を狙っているのではないかと疑い、食料を送らなかった。その状況を知った敵に奇襲をかけられ、孫堅の軍が全滅してしまう。

そこで関羽が1人で敵方の陣へ。見事、華雄将軍の首を持って帰ってきた。そのおかげで華雄軍をうち倒す。

虎牢関ころうかんの戦い

敵将呂布が赤兎馬に乗って一騎で突っ込んできた。そこに張飛が対抗する。この日の激戦は両軍多数の死者をだして引き分けに終わる。

遷都計画

李儒は董卓に、洛陽から長安へ都を移すことを提案する。董卓は漢室十二代の歴史を捨て、長安に向かって出発する。そして町に火をつけた。

曹操は董卓が兵を立て直す前に追い討ちをかけようとするが、深追いしすぎて逆にやられてしまう。

感想

おもしろ~い。曹操が無敵でのし上がっていくのかと思いきや、ここでやられてしまうんだね。正義も悪もはっきりしなくて、とにかく勝ちたい一心なみんなを応援してしまう。
ところで、寝ているテントに火をつけるのだけはやめてほしい。

 

6巻:玉璽の行くえ

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曹操

曹操は傷を負い、捕まる前に自害しようとするが、弟は最後まで生きる努力をしろと言う。

逃げる二人は、敵に囲まれ、曹家の名に恥じないよう戦おうとする。すると生き残った部下たちが現れ助けてくれた。

天よ、百難をわれに与えよ
奸雄かんゆうならずとも、必ず天下の一雄になってみせる

戦に負けて悟った曹操は、これから起こる様々な困難に負けず、志を高く持って前進することを誓った。

孫堅

孫堅が井戸に落ちていた死体から朝廷の玉璽ぎょくじを見つけ、兵を引き上げる。それを知った総大将の袁紹の兵に追われ、孫堅の兵は全滅となる。小舟に乗り玉璽を握りしめた孫堅は、

死んだ部下たち、よくみておけ
おれが天下に号令をかける日を!

袁紹

袁紹は義勇軍を解散させたのち、将来のために豊かな土地の冀州きしゅうを奪おうと、太守とその国を狙う公孫瓚こうそんさんをだます。

以前袁紹の家来だった趙雲子龍ちょううんしりゅうや、劉備たちは公孫瓚側に加勢する。

長安にいる董卓は、双方に恩をかけるため、和睦を勧める。長期戦で疲弊した両将はこれに従った。

感想

いつの時代も豊かな土地の取り合いは戦争の始まりだよね。
兵士の食糧は、農民とかが納める年貢とかかしら。働き盛りの男性陣が何万人も集まったら、1日の消費量を考えただけでも想像を絶するわ。そして野営ばっかりで疲れが取れなそう。

 

7巻:江東の波乱

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劉備は公孫瓚から、活躍のお礼として平原の相に任命される。子龍は劉備が民を救う英雄になると見込んで、家臣にしてもらえるよう頼み込むが、時期尚早と断られる。

孫堅

孫堅は董卓討伐時に食糧を送ってこなかったり、玉璽を奪おうと追手を差し向けたりした袁紹に、恨みを晴らそうとする。

そして500ほどの軍船で出陣する。毎夜、かがり火をたいた小舟を岸に近づけ、敵に夜襲とみせかけ、矢を使わせた。そして上陸成功し黄祖軍を破り、難攻不落の襄陽城じょうようじょうへ。

長期戦となり冬が近づいたある夜、敵の仕掛けで外へ出た孫堅は、落石にて死亡する。御年37歳であった。

ハニートラップ

董卓が長安に都を移して、町は栄に栄えた。

司徒王允しとおういんは朝廷の座を狙う董卓に憂いていた。力になりたい奴隷女の貂蝉ちょうせんは、董卓と部下の呂布が仲間割れするよう誘惑する。

王允の計画通り、呂布は董卓に敵意を向けるが、李儒が董卓をなだめ、貂蝉を呂布に譲る。

感想

董卓は意外と大人だったね。都をそんな簡単に移して大丈夫?と思ったけど、予想外の繁栄でビックリ。
劉備以外おじさんばっかりで、見分けがつかない。とりあえずヒゲの形で判別してる。

 

8巻:呂布と曹操

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さらなる貂蝉の誘惑で、董卓は呂布に譲らず、激怒した呂布は董卓を殺害する。そして董卓の郿塢城を一気に攻めた。

呂布は急いで貂蝉が待つ部屋に戻ると、なぜか幸せそうに微笑みながら自害していた。

曹操

黄巾賊の残党を一掃し、力をつけた曹操は、父・曹嵩そうすうを呼び寄せる。途中立ち寄った徐州の太守・陶謙にもてなされるが、待遇に不満をもつ家来たちに曹嵩は殺される。

そこで曹操は徐州へ出陣する。

陶謙は他国に救援を求める手紙を書く。集まった援軍の中には劉備もいた。

そんなとき、領土を持たない呂布は、空き家同然となった曹操の国・兗州えんしゅうを攻める。曹操軍は陶謙とはひとまず休戦して、呂布軍と正面衝突する。

その後、呂布の濮陽城が空だと知った曹操は出陣する。しかしそれは罠で、伏兵にやられ、曹操は大やけどを負う。

生きていた曹操は、ニセの葬儀を用意する。そこに攻めてきた呂布軍を狙い撃ちする。

感想

やったりやり返したり、罠だらけで大変だね。
董卓の最期はあっけなかった。まぁ部下に裏切られるのはよくある話だけど。

 

9巻:曹操の台頭

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曹操軍と呂布軍の決着はつかないまま、イナゴの大量発生で食糧がつき、休戦となる。

そんななか、陶謙の援軍として駆けつけた劉備は、その後、病に伏す陶謙に徐州の太守を命ぜられる。そして妻をめとり、母も呼び寄せた。

それを知った曹操は、父を殺した陶謙の土地を継いだことに憤慨していた。

勢いに乗る曹操は、呂布の部下が牛耳る兗州を攻めて取り返し、さらに呂布がいる濮陽城へ向かう。呂布は追い込まれ、袁紹を頼ろうとするが、裏切られたため諦める。

平野をさまよい続ける呂布軍は、次に劉備に助けを求める。

劉備は、呂布が曹操の領地に攻め入ったことで、徐州が無事だったことを運命に感じ、呂布軍を受け入れる。

長安にて

都の長安は董卓の部下だった李傕と郭汜の二将軍が牛耳っていた。そのうち二将軍はみかどを奪い合い、隙をついて帝は逃げてかつての都・洛陽へ向かう。

洛陽は焼けて廃墟となっていた。そのうち噂を聞きつけ人々が集まりだし、復興し始めるが、二将軍が協力して洛陽を攻めようとする。

そこに曹操軍が助けに入り、二将軍をやっつけた。

曹操は、廃墟の洛陽から整った許昌きょしょうに都を移そうと考えていた。曹操を頼るしかない帝は、遷都に同意した。

感想

曹操がのし上がってきたね~。話がサクサク進んで楽しい。お涙頂戴とかも無いのがいいね。

 

10巻:徐州の謀略戦

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二虎競食にこきょうしょくの計

許昌に着いた曹操は、徐州にいる劉備と呂布を恐れていた。

そこで「徐州の太守として正式に認める代わりに呂布を殺せ」と劉備に命ずる。劉備は呂布と血みどろの争いをして自滅させる目的を見抜き、やんわりと断った。

駆虎呑狼くこどんろうの計

次に「南陽の袁術を討て」と劉備にお達しが出される。これ以上、勅命を断れない劉備は、3万の兵をつれて出陣する。

留守を預かる張飛たちが大酒を飲んでいるのを知った呂布は、徐州を攻めて乗っ取る。そして、袁術から協力の依頼がきて出陣する。

失敗して自分を責める張飛に、劉備は欠点を補いあってこそ兄弟だと言う。呂布軍との戦いは不利だと判断して逃げる。

その後、呂布は命令ばかりする袁術が目障りになり、劉備を戻して一緒に戦おうとする。それを受けた劉備は、、、

竜が沼の淵にひそむはなんのため
時機を待ち、天に昇らんがためであろう
時には恥もしのぶこともあろう

納得がいかない張飛をなだめ、呂布がいる徐州に戻る。曹操が恐れて陥れようとした二人が、変なかたちでまたくっつくことになる。

孫堅の息子・孫策

孫策は父・孫堅から預かった玉璽を持っていた。袁術に差し出す代わりに兵を用意してもらう。さらに江東の賢人二人を味方につけ、出陣する。21歳の孫策はどんどん力をつけていった。

感想

劉備と呂布がそれぞれその時ベストな選択をした結果、また一緒になる流れが鮮やかだった。

それにしても劉備は人間が出来すぎじゃない?こんなに性格が良くてやっていけるのか心配になる。

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横山光輝『三国志』1~10巻あらすじネタバレ感想」への1件のフィードバック

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