「牡丹と薔薇」に続いて「新・牡丹と薔薇」も紹介したいと思います。
美しい姉妹が無意識のうちに周りを不幸にしてしまう波乱万丈物語。脚本は前作に引き続き中島丈博さんなので楽しみです。
『新・牡丹と薔薇』
脚本:中島丈博
制作:東海テレビ
放送:2015年11月-2016年1月 全41話
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登場人物
★昭和57年8月:親世代
1話:特別出演
2話:出産した4年後
3~5話:結婚
★平成16年:ぼたん23歳・美輪子18歳
6~9話:姉妹の恋愛事情
10~12話:ロミオとジュリエット
13~15話:堕ちてゆく多摩留
★平成19年:富貴子25歳・美輪子20歳
16話:それから2年後の春
17・18話:稲垣医師(西村和彦)再登場!
19~21話:運命の出会い
22話:取り立て屋(神保悟志)来店
23~25話:同居
26~32話:私はぼたんじゃない
33~35話:天ぷら屋の養女
36~38話:奇妙な合同結婚式
★平成25年:富貴子31才・美輪子26歳
38~40話:それから5年後の秋
最終回:牡丹と薔薇
★感想
登場人物
★西山眞澄 :美山加恋
梨園の大物と個性派女優の間に生まれた隠し子。祖父母宅で生活する高校3年生。
★小日向崑一:岡田浩暉
イギリス人の祖父が日本で開業したバラ園のオーナー。マザコン
昭和57年8月:親世代
1話:特別出演
高校生の西山眞澄(美山加恋)は産婦人科を受診する。
そこの医師が全然年を取らない西村和彦で、看護師は大河内奈々子と小沢真珠。これは胸熱だ。
眞澄はすでに妊娠6カ月で中絶はできなかった。加恋ちゃんが可愛くてとても上手。
相手の人はすでに交通事故で亡くなってしまっていて、その彼の母が川上麻衣子!
12月になり、臨月の眞澄は稲垣医師に名付け親になってほしいとお願いする。
「ぼたん というのはどうかな?」
ぼたんは富貴とも言うから、「富貴子」でもいいかも。と提案してくれた。これは1作目のぼたんと香世のお母さんの名だね。
帰宅すると、祖父母は孫の妊娠に今頃気付いて激怒する。そこに、年増の女優の娘(山口いづみ)が現れ、言い争いとなる。
「金さえ送ればいいってもんじゃないんだ!この大根役者が!」
「くそオヤジ!よくも恥をかかせてくれたわね!」
こんな母と祖父はイヤだ…。この状況で笑わずに熱演する加恋ちゃん素晴らしい。
2話:出産した4年後
そんなこんなで眞澄は無事、女の子を出産する。おめでとー
手術着の西村さんやら白衣の西村さんやらワイシャツ姿の西村さんやら見せてくれて眼福です。
「せんせ、本当に良い人に育ててもらえるんですか?」
眞澄が泣きながら先生のおへそのあたりのシャツをちょこんと掴んで訴えるの可愛い。
仕方なく養子縁組を受け入れ、赤ちゃんを先生に託した。
それから4年の歳月が流れ、大学4年となった眞澄は、ローズガーデンで開かれたミスコンで優勝する。ここのバラ園がとても素敵。
そこでオーナーの小日向(岡田浩暉)と出会う。なんだか恋の予感…
3~5話:結婚
小日向には2年前に別れた妻・よな子(田中美奈子)との間に、4歳のぼたんという名の娘がいた。4年前に産んだ富貴子と誕生日が同じだった。
「あの子と仲良くなれるなら、ベビーシッターでもいいわ」
「そんなつもりはないよ」
小日向は眞澄にプロポーズし、子連れ再婚する。
ハーフの小日向ママ・カオルコさんが、謎の年齢設定で、フジコヘミングみたいな見た目。息子がベッタベタでこの世界観怖い。
「でも、敵は年寄りだし、私よりずっと早く死んでくれるだろうし」
可憐な眞澄が実母に姑のことグチってる。意外と強い。
12月28日、眞澄はコンイチとの子を産み、美輪子と名づける。
平成16年:ぼたん23歳・美輪子18歳
それから18年後の12月28日!
娘たちは美しく成長し、トゥビコンは同じだけど、母の美山加恋ちゃんが伊藤かずえになってる。
カオルコおばあちゃんは亡くなったみたいでホッとした。
6~9話:姉妹の恋愛事情
奥手なぼたん(黛英里佳)は実母のよな子(田中美奈子)から、金持ちの綱輝さん(片岡信和)と婚約をするようゴリ押しされてる。
でも全然気が乗らないみたい。
一方、美輪子(逢沢りな)はこないだ墓地で出会った青年(戸塚純貴)と再会する。天ぷら屋の息子・多摩留は価値観が全然違うけど、ノリが良くてとっても魅力的。
タマルったら美輪子の命令で噴水にいる金魚を飲み込んだり(!)、お姫様抱っこで石段を駆け上がったりしてる。
疲れて倒れこむタマルに美輪子がご褒美のキス!この2人の世界だけほのぼのしてて可愛い。美輪子が本当に楽しそう。
新・ボタバラはロケがたくさんあっていいね。
10~12話:ロミオとジュリエット
ぼたんは美輪子が底辺層の男と付き合うことに嫌悪感を持っていた。
しかし美輪子はタマルのことがさらに好きになり、2人は1つになる。
「ギリギリのところで身を守ったんでしょ?」
「そんなことできるわけないでしょ。私だって抱いてほしかったんだもの」
その話が回り回って母の耳に入り、美輪子は外出禁止を言い渡されてしまう。
なんとか両親の目を盗んでタマルに会いに行く。
久々に会えたタマルは、ヤリたい気持ちが先走り、心の準備ができていない美輪子の体を奪う。
そのことで美輪子は急激に気持ちが冷めてしまったみたい。アーメン…
13~15話:堕ちてゆく多摩留
美輪子はあれだけラブラブだったのに、急にタマルを変質者扱いでヒドい…(涙)
彼は訳が分からずストーカーと化してしまう(涙)
「お姉さんには申し訳ないけど、美輪子を殺す。そして自分も死にます」
ぼたんはタマルの決意を知り、妹を殺さない条件で処女を捧げる。
これで一件落着かと思いきや、タマルは小日向家に侵入し、ナイフを持って美輪子を追いかけまわしてる。怖いって。
かばったぼたんが刺されてしまった。うそでしょ…
そしてタマルはガソリンを撒いて火をつけた。小日向家の豪邸が全焼して2人が遺体として発見される…
ぼたんのこと4歳の頃から知ってるから、お葬式がとても悲しい。出棺して火葬場へ行って、お墓の前で坊さんにお経を読んでもらってる。やけに演出が丁寧なんだよね。
現実のニュースで流れてきそうな事件の内容で、怖すぎた。
加害者の両親もツラいな~
平成19年:富貴子25歳・美輪子20歳
16話:それから2年後の春
タマルの姉・富貴子(黛英里佳)がアメリカから帰って来た。ぼたんと一人二役だけど、ショートの方が可愛い。
富貴子は養子縁組で今の家にもらわれてきたのは知ってるけど、実の親は誰だか知らないんだよね。
17・18話:稲垣医師(西村和彦)再登場!
ルーツを知りたくなった富貴子が色々調べて稲垣医師にたどり着いた。ナイス!
認知症のおじいちゃんになってるけど、25年前は何歳だったんだ?目がキラキラしててかっこよさを隠しきれてない。
そんなこんなで、富貴子は名前の由来と、義弟(戸塚純貴)が事件を起こした小日向家の奥様(伊藤かずえ)が実母だということを知る。
19~21話:運命の出会い
富貴子はたまたま出会った神崎さん(内野謙太)と一緒に店舗を借り、ネイルアートサロンを開く。神崎さんの手作りの皮製品のお店が素敵。
そして恋の予感…
その後、富貴子はローズカフェにて、実母の眞澄と実妹の美輪子(逢沢りな)と再会を果たす。
富貴子が天ぷら屋の養父母は死んだことにしてるの泣ける。育ての父が貧乏だけどめっちゃ良い人なんだよね。
22話:取り立て屋(神保悟志)来店
そんなとき、富貴子を独占したい美輪子が勝手にヒス起こして、神崎さんのプライドをズタズタにする。
さらに、神保悟志が革製品のお店に借金の取り立てでやってきた。なにこれ~。おもちゃ箱をひっくり返したみたいなキャスティング。そしてどういう役作り?
ついに神崎さんがおかしくなり、自分の店をめちゃくちゃにしたあと、失踪してしまった…
「そろそろ秋も終わりだし、カマキリ野郎はメスに食い殺されて、いなくなっても仕方ないんじゃない?」
美輪子サイテー
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23~25話:同居
色々あったけど、実の姉妹だからいつの間にか仲直りしてる(え?)
富貴子が小日向家で生活することになったんだけど、美輪子がわがまま放題だし、母に泥棒扱いされるし、ぼたんぼたん言われるし、ろくなことがない。
富貴子に逃げる場所(天ぷら屋)があってよかった。弟の杉ちゃんほのぼのする。
26~32話:私はぼたんじゃない
富貴子は奥手なぼたんと違って、旧友の清塚さんやら、ぼたんの婚約者だったツナキさんとすぐに良い感じになるもんだから、美輪子は気に食わない。
富貴子は何度も恋の邪魔をされて、いよいよ黙ってられずに、天ぷら屋を案内する。
「母さん、この人に食べさせてやってよ。イモの天ぷらでも食べなきゃ目が覚めないんだから」
富貴子はタマルから聞いていた彼女の話を聞かせ、自分はぼたんじゃないことを説明する。
どうやらお灸が効きすぎたようで、美輪子は倒れてしまう。
目覚めると全てを受け入れたみたい。タマルの仏壇にお線香をあげてる。これはなかなかすごいことだ。
「あぁこれでタマルもやっと成仏できるよ」
タマルの両親がホッとしてる。なんとも言えない複雑な気分…
33~35話:天ぷら屋の養女
いよいよ小日向パパママにもバレてしまい、コンイチ(岡田浩暉)が天ぷら屋に乗り込んだ。でも吉田家だって言い分はあるよね。
「おたくがウチに恨みを持ってるのと同じくらい、私達だって恨んでますよ」
「帰れ!帰れ!」
杉ちゃんが小日向パパに小麦粉投げつけてる!もっとやってやれ!
そんなことがあってもツナキは富貴子と婚約解消しないってよ。天ぷら屋の客がいつも余計な話を聞かされて気の毒。
コンイチは富貴子を追い出し、前妻のよな子(田中美奈子)とよりを戻す。熱い夜を過ごしてる最中、息を引き取ってしまう!えーーーー!怖すぎ!
おかげでコンちゃんのお葬式はそんなに悲しくない。
36~38話:奇妙な合同結婚式
パパが亡くなり、莫大な借金があることが判明。よな子は美輪子に金融業界の大物・大隈社長(大和田伸也)を紹介する。
「ええのかいな、あんなおぼこ娘を」
どういう世界観?
富貴子は美輪子が可哀相だから、借金の肩代わりに自分が嫁に行くってよ。
よな子の提案で、ツナキは美輪子と偽装結婚することに。両想いの富貴子とツナキは、別れの記念に愛し合う。
そして5月、2組の合同結婚式が開かれる。どうかしている…
こんな祝いの席でよな子がタマルの話をしだした。ギッスギスな空気感の中、ケーキカットが始まり、杉ちゃんがウエディングケーキをぶっ倒した。でも爺さんと結婚するお姉ちゃんを助けようとしたんだよね。
杉ちゃんが小日向家に呼ばれて、シャンデリアにぶら下がってターザンみたいになってたの、腹抱えて笑ったわ。杉ちゃん癒される~
平成25年:富貴子31才・美輪子26歳
38~40話:それから5年後の秋
「パパ~!おかえりなさ~い!」
この子、4歳のぼたんを演じた子だよね。瑠璃ちゃんニコニコしてて可愛い。
どうやらツナキの子を大隈の子だとウソついて育ててきたみたい。
そんなとき、大隈は先天的な精子無力症だったことが判明し、瑠璃が実子じゃないことに気付く。どうしても種を残したくて、デブの甥を呼び寄せた。
「こいつと、してくれ!」
その後、大隈の留守中、甥が富貴子を襲う。ちょうど居合わせた杉ちゃんが助けようとして、飾ってあった日本刀を振り回す。もみ合いの末、鞘が外れて杉ちゃんが甥を斬ってしまった。
これ正当防衛だよ。強姦魔をやっつけたヒーローだよ。それなのに杉ちゃんが手錠をかけられて捕まってしまった(悲)
富貴子は泣いてないで証言しろよ。
最終回:牡丹と薔薇
美輪子は茫然自失となった富貴子を連れて、富士山のふもとの別荘で静養していた。
12月28日、ツナキは瑠璃を連れて2人の元へ。
「ママじゃない!」
「え?ぼたん?ぼたんじゃないか!」
富貴子はあの事件のショックで、ぼたんに生まれ変わっていた。瑠璃ちゃん可哀相…。ツナキが姉妹愛を目の当たりにして号泣してる。入り込む余地もなくて、瑠璃ちゃん連れて帰ったみたい。
その後、ぼたんと美輪子は大自然の中、幸せそうに微笑んでいた。
ー完ー
こちらの最終回もホラーだ。
感想
姉妹と出会った男性はみな不幸になってしまう運命なの?怖いわー。革職人の神崎さんとかなんだったんだ?あれは夢だったのか?そしてタマルと杉ちゃんが悲しすぎた。
タマルの評価を上げに上げたところで、奈落の底に突き落とす流れ凄かったなー。
しかも男女のコミュニケーション不足からの行き違いで、修復不可能になるってとこがリアルだった。タマルの闇落ちがいまだに尾を引いてる。
旧作の方で、豊樹(神保悟志)が鏡子(川上麻衣子)のお見舞いで、スッポンのスープを持ってきたとか言ってたの「え?」と思って記憶に残ってたんだけど、
富貴子がツナキのお見舞いでスッポンのスープ持ってきてたね。
ちょいちょい旧作を思い出す演出があって、見つける楽しさもあった。
「新」の方も脚本がすごい。
主役の姉妹はモブっぽくていまいち華がなかったけど、伊藤かずえがドラマに奥行きを出してくれてた。
ここぞというときはバシッと着物を着て出かけるところ好きだったな。
合同結婚式のあとが駆け足だったね。でもツナキに興味が持てなかったから、ちょうど良かったかも。アナウンサーみたいで色気がないし。
長丁場のドラマは自分好みのイケメンが出てないと見続けるの厳しいけど、前作に比べて外でのロケが多かったし、バラがとっても素敵だったので、最後まで楽しめた。
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