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「海猿」伊藤英明主演ドラマ/全話ネタバレ感想・あらすじなど


2005年フジテレビの夏ドラマ「海猿」を紹介します。

舞台は2004年の映画「海猿」から1年後。海上保安庁の潜水士として働く仙崎大輔の成長を描いた物語です。

脚本も演出もメインキャストも映画から引き続きで、登場人物があのまま1年間生き続けたかのよう。

『海猿 UMIZARU EVOLUTION』

原作:「海猿」佐藤秀峰、小森陽一
脚本:福田靖
監督:羽住英一郎
放送:2005年フジテレビ 全11話
主題歌:B’z「OSIAN」

 

キャスト

★仙崎大輔(26):伊藤英明
営業マンから海上保安官に転職。1年前から第七管区福岡海上保安部で潜水士として働く

★環菜:加藤あい
実家の呉で1年前に仙崎と出会う。現在、横浜に1人暮らし。仕事はデザイナー

★吉岡哲也(23):佐藤隆太
巡視船「ながれ」の炊事作業や記録係などを担当

★池澤真樹:仲村トオル
特殊救難隊から一時的に「ながれ」に出向中。妻は妊娠8カ月

 

1話:エイジアントリップ号沈没

海上保安庁の潜水士となって1年が経った仙崎大輔(伊藤英明)は、福岡から横浜へ移動となる。

横浜にはメル友状態の可愛い環菜(加藤あい)が住んでいた。大喜びの大輔であったが、環菜は戸惑っていた。

配属となった巡視船「ながれ」では、池澤(仲村トオル)とバディとなる。池澤は特殊救難隊にいた優秀な隊員で、新人の大輔に興味なし。胸筋がパツパツで仕上がり具合がすごい。

同窓会

そんなとき、呉で一緒に訓練した同士たちが居酒屋へ集合し、工藤さん(伊藤淳史)の遺影も交えて楽しいひとときを過ごす。斎藤工もいるね。

みんな元気そうでなにより。香里奈がめちゃくちゃ綺麗。

エイジアントリップ号沈没

ある日、三浦半島沖でパナマ船籍の重油タンカーが沈没した。巡視船ながれは現場へ向かう。

「池澤さん、潜って重油飲んじゃったら、どうなるんですか?」

「死ぬよ」

遭難現場に初めて立ち会う大輔は緊張していた。池澤と船の中に潜り、空間があるところで船長と船員を発見する。池澤は船長を置いて、まず若い船員を移動させると言う。

「約束はできません。必ず戻ってきますから、それまで頑張ってください」

池澤が言葉を残して船員を救助している間に、船長は力尽きてしまっていた。

感想

海上保安庁の協力っぷりがすごい。船やらヘリやらかっこいいな。そして潜水シーンが本格的で見ごたえある。

みんなスタイルが良くてキャスティングも神がかっている。今の時代なら、ボーイズラブとかぶっこんできそうだけど、男同士の熱い友情が爽やかで安心して見てられる。

 

2話:中国籍の漂流船

船長を助けられなかったことを悔やむ大輔は、救助の順番に疑問を持っていた。

どうやら池澤は、経験の浅い仙崎とでパニック状態の船長を運ぶのは危険だと判断し、若い船員を先に救出したらしい。

戻ってくるまで気を緩めないようにわざと安心させないような言葉をかけたのに、大輔は船長に「絶対僕が助けます」と言ってしまった…

池澤の真意を知った大輔は落ち込んでいた。しかし上司の下川(時任三郎)は、救助に正解はないと言う。

「お前はあいつのサポート役じゃない、バディだ。同等のパートナーだ」

いい事言う!

中国籍の漂流船

その後、座礁して沈没しそうな船を発見。甲板に出ていた船員たちを救助するが、なんとなく様子がおかしい。

そこで大輔と池澤は船内に戻ると、2名の密航者が開かずの間に閉じ込められていた。

水かさがどんどん増して、絶体絶命のピンチ。

なんとかカギを壊すが、完全に浸水して気を失ってから救助することに。

そして2人は息を止めて静かになった2人を運び始める。その途中、池澤が運ぶ男が暴れだした。大輔が助けに戻り、事なきを得る。

命がけで助けた密航者は、中国へ強制送還されるとか。

<誰かに聞いてほしかった。俺が海難現場で何を見たか。どんな現実がそこにあったか。俺はひとりだった…>

感想

はぁ切ない。

ボンベ無しで息止めたまま水中で作業するの怖いだろうな。他人を助けてる場合じゃないよ。仙崎と池澤がスーパーヒーローに見えた。

DVD版では1話と2話が繋がった編集になっていて、映画を1本観終わったかのような不思議な感覚。そして充足感がすごい。フジテレビも昔はこんなドラマを作ることができたんだ。

 

3話:訓練中の事故

池澤(仲村トオル)はたまに視界がぼやけて具合が悪そう。職場では不愛想だけど、妊娠中の妻から「まーくん」と呼ばれている。

下川さん(時任三郎)の別れた奥さん(奥貫薫)は性格がめちゃくちゃ悪い。ママからパパの悪口を散々聞かされているんだろう、娘もパパの仕事を毛嫌いしてる。ひどいわ~

訓練中の事故

訓練中、池澤はバディの仙崎を試し、水深40mでボンベのエアーを捨てて2人が浮上するのにギリギリの状態にしてしまう。

仙崎はパニックで緊急浮上してしまい、減圧症で入院となる。

距離を置いていた環菜は心配でお見舞いに来てくれた。可愛い。2人は山あり谷ありだけど、またやり直すことに。

緊急出向命令

それぞれが愛する人と過ごす日、房総沖でタンカーが座礁して出向命令がかかる。

感想

水中での道具の交換すごい。ちゃんと役者がやってるのがいいね。

後半の大それた音楽がちょっとな~。感動の押し売りされてるみたいで冷める。訓練や事故現場がリアルで迫力あるから、映像の力だけで間が持つと思うんだけど。もったいない。

 

4話:落とし物の捜索

巡視船ながれは漁船が沈没した現場に到着する。

数日間、行方不明の船長を捜索するが見つからず、その後、遺体が砂浜に打ち上げられる。

船長の息子・雅也(波岡一喜)は、勝手に海に潜って父が身に着けていた腕時計を探していた。生前、父があげるって言ったときは、いらねーって突っぱねたくせに、今さらめんどくせー男。

一方、環菜は水族館で置いてきぼりにされてから、1か月ぶりのデートでプンプン怒ってる。かわいい~。

そのいちゃつきの現場を雅也に目撃されてしまう。後ろめたい仙崎は、雅也と一緒に海に潜って腕時計探し。

この雅也がめちゃくちゃ性格が悪い。母はオロオロしてるだけで、もっと厳しく注意するべきだと思う。

ジャックステイ検索

見かねた下川隊長が、訓練と称して隊員に時計探しを命じる。雅也の目の前に巡視船がやってきて、海上保安官の名誉は挽回できたようだ。

結局、腕時計は見つからず、仙崎は雅也に自分のダイバーズウォッチをあげた。

一件落着したころ、環菜は大輔の誕生日プレゼントに、ダイバーズウォッチを買っていた。ナイス!

感想

4話は不良息子にずーっとイライラしっぱなしだったけど、環菜ちゃんが選んだプレゼントにほっこりした。

こんな素敵なオチを用意していたなんて、予想しなかったわ。

 

5話:懸垂対決

別所(三宅弘城)はダイビングのインストラクターになるため、海保を辞めると言う。現場を目の前にすると、恐怖でアドレナリンが出すぎて冷静に行動が出来ないとのこと。

一方、池澤(仲村トオル)は中心性網膜症を患い、潜水士を辞めると言う。

元気がない大輔を環菜は自宅に誘う。慰めてキスしてあげてたけど、あの状態で何もせずバイバイしたなんて信じられない。

その後、池澤は大輔にわざとケンカを売る。

「俺は特救隊の人間だ。あそこに戻れないなら、潜水士を続けていく意味がない。マイナーリーグでやってくつもりはないんだ俺は」

一触即発な二人は肉体美を披露して、懸垂対決をすることに。「なんでいちいち裸になるかなぁ」って突っ込んでくれる佐藤仁美がいいね。大それたBGMがやっぱり合ってない。

先に落ちた大輔は、池澤に頭を下げて続けてほしいと懇願する。

池澤はあと半年、ながれで潜水士を続けるってよ。めでたしめでたし

感想

熱いね~。女には理解できないバカバカしい戦いだったけど、ビジュアルが最高すぎて絵になる。肉体の仕上がりっぷりがプロだね。

 

6・7話:不審船発見

dracula

池澤は懸垂対決以来、大輔をバディとして認めたようだ。

環菜は大輔と関係に行き詰まり(またぁ?)、命の危険がある仕事をする彼氏はイヤだと言う。めんどくさ!

不審船発見

霞が関の対策本部から防弾装備装着命令が出て、緊張が増すながれの乗組員たち。仙崎と池澤に射撃の配置命令が出る。

「これ、マジで撃つんですか?」

「俺たちは任務を遂行するだけだ」

その後、不審船は速度を落とさず、2人は指示通り威嚇射撃をする。

すると不審船が発砲してきた。池澤が撃ち返すと、不審船は自爆して沈没してしまう。

翌朝、沈没した船の捜索にあたるが、遺体は見つからず、水深2000mのため船を引き上げることは不可能だった。

罪の意識

正当防衛とはいえ、人を殺してしまった大輔と池澤はそれぞれ落ち込んでいた。

「俺は…人を殺したんだ…」

環奈は大輔から別れを告げられるが、今までの事を思い出して、支える宣言をする。

一方、池澤は切迫早産で倒れた妻の見舞いに訪れる。人を殺した手でお腹を触れないと言う夫に、

「何があっても、あなたはあなたよ」

素敵やん。

感想

B’zの主題歌がズルいな。女どもの精神が不安定すぎてずっとイライラしてたんだけど、最後感動してしまった。

不審船発見のくだりはリアルな事件を見てるようで緊迫してた。本物の船やヘリを使ってるから迫力あるし、映像が贅沢。

 

8・9話:シージャック

老朽船ながれの廃船が決まり、その前に、太平洋の排他的経済水域へ2週間ほど出ることに。

一方、池澤さんの妻・尚子(芳本美代子)はいよいよ産気づいて病院へ。

シージャック

ながれが大海原へ出てから数日後、漂流者を発見する。

救助した漂流者の証言によると、ロシア船籍のトリスターナ号が海賊に襲われたらしい。ながれがその船を発見すると、デッキで捕まっていた船長が海に飛び込んだ。

救助班はゴムボートで現場に近づく。そして大輔が防弾チョッキを脱いで服のまま飛び込み、沈みゆく船長を助け出した。

「よくやったぞ仙崎!」

「はじめて、池澤さんに褒めてもらった」

ちょうどそのとき、銃声が鳴り響き、池澤の首元に命中する。うそでしょ…

そんなとき、産院では女の子の赤ちゃんが生まれてる。かわいい~。おめでとー。

バディ殉職

池澤はかすかに意識があったが、そのあと息を引き取ってしまう(涙)

一方で捕まりたくない海賊たちは、被害者を装い海に飛び込んだ。海保は助けるよね。

陸にいる尚子の病室に、ぞろぞろと黒づくめの男たちが入ってきた。夫が殉職したことを告げられてるけど、もっと他の場所で他の伝え方なかったんか?

尚子は夫が書いた名づけのメモを大輔から受け取った。

「真子ちゃん。パパが可愛い名前つけてくれたよ」

泣くー

呉の海上保安大学校にて

吉岡(佐藤隆太)は潜水士になるべく、呉の訓練学校で特訓を受けていた。

バディの死で抜け殻となった大輔が、教官として派遣されることに。優しい職場ですこと。

生徒の中には、下川さんの元バディの矢吹(布施博)もいた。1人だけおじさんでツラそうだけどがんばれー

そこに環菜も来てくれ、尚子から聞いた話をする。

池澤さんが目が悪くて特救隊に戻れなくても潜水士を辞めなかったのは、大輔の成長を見届けたいと思ったからだ言う。電話じゃなくて顔を見て伝えたかったって。ええ子やん。一生離すなよ。

そんなこんなで大輔は潜水士を続けるってさ。めでたしめでたし

感想

尚子が意外と前向きで良かった。労災の額が思いのほか良かったんだろう。

池澤(仲村トオル)が子供の名前をカタカナにしようとして、大輔にバカにされてるの笑った。あの頃は平和だったなぁ…

エンディングの小窓の映像が、1作目の映画の名シーンとか池澤さんとの思い出のシーンで涙出そうだった。映画館で観てるような感じに仕上がってる。

 

10話・最終話:プレジャーボート転覆

大輔は潜水士に合格した吉岡とバディを組み、指導する。前向きになってくれて良かった。

環菜のアパートにお泊りの夜、母(朝加真由美)がやってきた。シャワー浴びた後でなんというバッドタイミング。

この母がほんと性格悪くてイヤになる。昔、旦那を海の事故で亡くしたから、海関係で働く男が嫌いらしい。職業だけで決めつけて、大輔にめちゃくちゃ態度が悪い。大人としてサイテー

その後、大輔が環菜の母にもう一度会いにきてくれた。やっぱりちゃんとわかってほしいって。堅実な男だ。

「付き合ってるだけなのに、なんで親の許しがいるの?別に結婚するって言ってるわけじゃないんだし」

「いや、俺はそのつもりだよ」

プロポーズきたー!!!これは嬉しいね。

プレジャーボート転覆事故

下川さん(時任三郎)の性格の悪い前妻(奥貫薫)は再婚するから娘ともう会わせないとか。仕事のせいでお出かけをドタキャンされまくったのを、今でも相当恨んでるらしい。

そのもう会えない娘・ゆいちゃんがバレエの友達と乗った船が遭難した。

海に投げ出されて救助された女性曰く、今日は波が荒いから防波堤の内側を回るだけだったけど、穏やかそうだったから外に出てみたら、すごい波であっという間だったとか。あるあるだね。

プレジャーボートはひっくり返った状態で、岩場に引っ掛かっていた。

大輔たちはゴムボートで近づいて捜索を開始。どうやらゆいちゃんだけボート内に閉じ込められてるみたい。船内からのか弱い声をよく聞き取れたよね。

ゆいちゃん救出大作戦

特殊救難隊に応援を要請したけど、間に合わないっつんで、自分らで助け出すことに。

なんとかしてゆいちゃん救出(奇跡)
 ↓
下川、ボートと共に沈む
 ↓
下川、10分間酸欠状態で意識不明
 ↓
下川、ゆいちゃんの声で目覚める

なんなんだこの茶番は…。大それたBGMで誤魔化そうとするのやめて。ただ、矢吹さん(布施博)が現場復帰してるのほっこりする。

「娘を助けるためなら死んでもいい」そう思った下川は、潜水士として失格だと自ら認め、陸へ上がるとか。真面目~

下川の前妻も心を入れ替えてキャラ変してる。情緒が不安定すぎる。

「ながれ」の廃船

環奈の母も急なキャラ変で、大輔を認めてくれた。どの女も情緒が不安定。

ながれは建造されて28年が経ち、廃船の日を迎えた。ここで色々あったな。感慨深い。

池澤さんの遺影が泣ける…

そして廃船式を終えた大輔が環菜のもとにやってきた。

結婚して新しい配属先に連れてくのかと思いきや、遠距離恋愛決め込もうとしてる。このタイミングでそれはないよ~

普通ならきっぱり諦めて新しい恋を探すところ、純粋無垢な環菜ちゃんは嬉しそうに抱き着いてる。2人が幸せならいっか。

ー完ー

感想

ずっと気になっていたんだけど、大輔の陸の自宅って無いの?

最終回は、事件が今までで1番小さいし、回想シーンが多くて盛り上がりに欠けた。

今は次回作があることを知ってるからいいけど、当時、11話も見て遠距離恋愛スタートの結末で「はぁ?!」ってなってたと思う。

 

あとがき

毎話、冒頭で訓練シーンを見せてくれるの好きだった。丁寧に作られてて撮影大変だったろうな。

水中や海上のシーンが迫力あって、日本のドラマでこんなに贅沢な気分を味あわせてくれるのは珍しいかも。

役者も体を作りこんでいて素晴らしいよね。青色のぴったりしたTシャツ姿がたくましくてかっこよかった。

伊藤英明は仙崎大輔そのもので当たり役だし、ぶっきらぼうな仲村トオルが良かった。仙崎が茶化すと、きちんとツッコミ返すところ好きだったな。

とりまとめ役の落ち着いた時任三郎も良いし、船長の夏八木勲は芸術家っぽい雰囲気でドラマに奥行きを出してくれてた。

男性陣がみんなかっこよくて眼福でした。

残念だったのは、女性が無能に描かれすぎて、私生活がギスギスしていたところ。仕事がめちゃハードなんだから、プライベートはほっこり和ませてくれればいいのに。

ゆいちゃんがダイバーズウォッチを毛嫌いしてるエピソードとか胸糞悪すぎ。下川さんの奥さんや環菜の母のシーンは見てられなくて、早送りしてしまった。

大作のわりに視聴率があまり振るわなかったのは、その部分にあるんじゃないだろうか。

隊員の仕事っぷりや友情のターンは最高に楽しかったけどね。


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