2002年TBSの春ドラマ『First Love』を紹介します。
脚本は大石静さんで、主演は渡部篤郎さん。
江沢夏澄(深田恭子)が高校時代に好きだった先生(渡部篤郎)が、5年後に姉(和久井映見)の婚約者として目の前に現れる、トンデモストーリー。
1話の女子高生の深キョンと先生の渡部篤郎がめちゃくちゃ可愛くて無限リピートするなか、姉の行動がホラーすぎるし、最終的に誰にも共感が出来ないという謎のドラマとなっております。
でもとにかく1話の可愛い思い出と宇多田ヒカルの主題歌『SAKURAドロップス』が爽やかで、それだけで生きていけるって感じ。
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・キャスト
・1話:くちびるの記憶
・2話:裏切りの恋
・3話:破られた秘密
・4話:愛という名の別れ
・5話:逃げられない影
・6話:命がけの告白
・7話:赤い傘の罠
・8話:運命を変えた一夜
・9話:毒入りのワイン
・10話:空に舞う心
・最終話:約束の場所へ
・あとがき
・DVD購入
キャスト
(DVDのパッケージがちょーかわいい)
★藤堂 直:渡部篤郎
6年前は、素材の良さに気付いていない高校の古文の先生。和歌の詠み方が素敵。現在はカウンセラー
★江沢 夏澄:深田恭子
6年前は高校生で、現在は結婚式場のスタッフ。明るくてどんくさくて素直な女の子。カツラが不自然すぎだけど、セーラー服の深キョンがめちゃくちゃ可愛い
★江沢 朋子:和久井映見
夏澄の姉。「いつもともこ」のペンネームで活躍する恋愛エッセイスト。血の繋がらない姉妹で、妹に尋常じゃないほどの恨みがあるらしい
★木場 清一:池内博之
夏澄の同級生。高校時代から夏澄のことが好き
1話~くちびるの記憶
6年前
夏澄(深田恭子)は古文の先生・直ちゃん(渡部篤郎)に恋をした。
徐々に距離を縮め、出会って1年経った頃に二人はキスをする。その場面を見ていた生徒がショックで自殺未遂をしたため、直は責任を取り転任する。
それから5年後
夏澄は結婚式場に就職して1週間が経とうとしていた。
姉の朋子(和久井映見)はカウンセリングを受けていて、その先生が直だった。朋子は直にプロポーズし、結婚が決まる。
その後、直が結婚の挨拶で朋子宅を訪れ、夏澄と会うが、他人のふりをする。
高校時代のシーンがお宝映像すぎて何度もリピートしてしまう。ここの時間を切り取った2時間の映画とか観たかったな。
この頃の深キョンの脚が象みたいにごつくて、超絶小顔のアンバランスな体形がキュートすぎ。細くて背の高い渡部篤郎と、ぽちゃぽちゃの深キョンがお似合い。
自転車のチェーンが外れて先生に直してもらって「全然いいですー!」の深キョン無邪気で可愛い。そのあとの言葉を正す渡部篤郎がこれまたモテなくて生徒思いの先生感あって素敵なの。この時間の2人をずっと見ていたいよ…
和久井映見が出てきてからはホラーすぎて別のドラマを観てるみたい。宇多田ヒカルの主題歌が無理やりドラマティックに仕上げるね。
生徒に手を出したり、カウンセリングの患者に手を出したり、絶対的な上下関係を利用して恋愛に持ち込む主人公の直に全然共感できない。
あざとさ満載な男を渡部篤郎が可愛く演じてるからまだ許せるけど、直がほんとクズすぎる。
盲目の女の子と兄になりすました詐欺師のラブストーリー「愛なんていらねえよ、夏」 paravi【パラビ】で観る |
第2話~裏切りの恋
直(渡部篤郎)は朋子(和久井映見)と結婚するため、夏澄(深田恭子)のことを突き放す。実は朋子はコインロッカーベイビーだった。
夏澄は同級生の飲み会の帰り、靴づれで木場くん(池内博之)におんぶしてもらう。
「重い?やっぱ重い?」
「いいんだよ。お前は重くて」
「ん?何て言ったの?」
かわいいー
夏澄の同級生がよく居酒屋に集まるんだけど、ここに出てくる若手俳優たちが懐かしい。今どうしてるんだろ、とかセンチメンタルになったり。今でも第一線で活躍する深キョンってすごいな。
夏澄をねらってる木場くんがちょー優しくて、付き合っちゃえばいいのに。バランス取れててお似合いだと思う。
ホラーな場面も宇多田ヒカルの主題歌のおかげで不自然なほどドラマティックになってる。
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第3話~破られた秘密
朋子は直とこっそり会う夏澄に、意地悪をする。
夏澄と木場くん(池内博之)をディナーに誘い、そこに直も来た。げー
朋子の前では夏澄と直はよそよそしいふりをするが、何も知らない木場くんのせいで元々知り合いだったのがバレてしまう。そして地獄の4人の食事会が始まる。
もうこの辺から登場人物全員に共感が出来なくなってきている。たまに挿入される高校時代の映像で何とか視聴継続できてるけど…
4人勢ぞろいは気まずいよね。
朋子は全部知ってるのに知らないふりして、性格わる~
第4話~愛という名の別れ
気まずいまま4人(深田恭子・渡部篤郎・和久井映見・池内博之)の食事会が始まる。話の流れで高校時代の話が盛り上がり、朋子は疎外感を感じて涙する。
ある日、母親が心筋梗塞で倒れて病院へ。たまたま夏澄と直が二人っきりになり、屋台のラーメンを食べて、夏澄はお別れの挨拶をする。
4人の食事会は地獄だったね。
朋子ったら知らないふりして傷をえぐるような質問攻め。怖いわ~。そんなホラーなときに、夏澄が「直ちゃん」呼びしちゃうもんだから、どんくさいよね~
直は朋子のどこに惚れて結婚したいのか、さっぱりわからない。
こんなギスギスしたストーリーの中、毎話挿入されるセーラー服の深キョンで心が癒されるよ。たった1回のキスなのに何度も流してくれるのね。ありがたい。宇多田ヒカルの歌が無駄に切ない…
最後の夏澄が直に別れを告げるシーン。渡部篤郎のスイッチの入り方が凄いよ。直はそんなに心に秘めた感情があったんだ、って驚いた。
第5話~逃げられない影
直(渡部篤郎)はどんどん夏澄(深田恭子)のことが気になりだす。木場くん(池内博之)に問い詰められて、はっきりと自分の気持ちに気付く。
直は朋子(和久井映見)に婚約破棄を告げるが、朋子は
「直さん失ったら死ぬ!」
時すでに遅し…
あーーこれめんどくさいやつ。
この展開嫌だわ~。
直はカウンセラーなんだから、ここで婚約破棄したらこうなるって予想つくだろうに。バカなの??
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第6話~生命がけの告白
直(渡部篤郎)は朋子(和久井映見)に婚約解消の話をする。
その後、直は夏澄(深田恭子)に告白する。
ここへきて婚約解消って直ちゃんヒドすぎない?これは朋子が可哀そう。
てか和久井映見と渡部篤郎の迫真の演技バトルが凄いよ。
一方、深キョンのシーンはいつも癒されるね。
渡部篤郎が自転車の後ろに深キョン乗せて、重そうに漕ぎ出すときの「うりゃ」がツボ。
自転車の爆走かわいかった。
そのあとの自転車を押しての二人の会話はぎこちなくて切ない。
直は夏澄と一緒になろうと心に決めたけど、夏澄のほうは、直は姉と結婚すると思ってるもんね。
とりあえず姉妹が血が繋がってないのが救いだわ。
姉をやめて妹にって男、クズでしかないんですけど…。
第7話~赤い傘の罠
姉(和久井映見)が優しくしてくれ、心が痛む夏澄(深田恭子)。直ちゃんと付き合うことをためらう。
直はトラブルで仕事を失い、夏澄とも距離を置かれ連絡取れず。
しかしそれはすべて朋子の計算どおりだった。
直が茫然自失になっているときに突然の雨。赤い傘をさして朋子が現れる。
宇多田ヒカルの歌のおかげで切ない風になってるけど、別れた元婚約者が突然目の前に現れたらホラーだよね。
でもそんなホラーなシチュエーションでも、和久井映見が背の高い渡部篤郎を赤い傘に入れてあげて、見上げる視線が可愛いのなんの。
見つめ合う二人がお似合い。
第8話~運命を変えた一夜
直(渡部篤郎)は朋子(和久井映見)のバックアップのおかげで職場に復帰できるようになった。
朋子は夏澄(深田恭子)に身の程を知って直を諦めろと傷つける。夏澄は諦めないと宣戦布告する。
ついに朋子が壊れる。そして母も倒れる。
寿司屋の深キョンが可愛すぎた。
「大トロ、大ウニ、大アワビ!大タマゴ!」
やっぱり笑ってるのがいいね。
これは高級寿司おごりたくなる。
そして直が夏澄の醤油さしに醤油を入れたげる何気ない動作にキュンとくる。
「一番高いの食べよう!フグ!大フグ!」
「 大フグ♪ 大フグ♪ 大フグ♪」
あわわわわ。かわいすぎるよ…
本編がホラーすぎて、ファンタジーな深キョンに癒されるしかない…
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第9話~毒入りのワイン
直(渡部篤郎)は朋子(和久井映見)に出会ってからの不自然な出来事を一つずつ思い出し、それが全て朋子が仕組んだ罠だったことが判明する。
直は朋子に問い詰めると、妹を傷つけて家族が崩壊するなら何でもできると言う。
そして、夏澄と直の幸せを見たくないから、どちらかが死のうと毒入りのワインを二人で飲む。
和久井映見と渡部篤郎の二人の長いシーンが見ごたえあったわ~。
二人ともクズなんだけど、なぜか切なくてキュンキュンするの。
そして途中で挟み込む深キョンのぶりっ子走り!
息抜きにありがとう。
緊迫したシーンも、どんくさい深キョンがいるおかげでマイルドになるね。
第10話~空に舞う心
母が入院する病院の屋上から朋子(和久井映見)が飛び降り自殺を図る。直が駆けつけ地上で朋子を受け止める(マジ?)。怪我はしたけど助かった模様。
2人で怪我したから絆みたいなのが出来上がっちゃって、今度は夏澄が疎外感。
なんだかんだで直は朋子にプロポーズすることを決意する。夏澄と涙の別れ。視聴者唖然…
9話では渡部篤郎と和久井映見の2人の演技でミステリー調だったけど、深キョンが現れると途端にドタバタな感じになるね(笑)
「やっぱり直さんが好き」って言う和久井映見の演技が上手すぎて、なんだか朋子が可愛く見えてきた。
涙の別れシーンで、夏澄が缶ビールのフタを開けようとすると、直ちゃんが奪って開けてくれるの。その動きがナチュラルすぎて素敵だった。
直がクズなんだけど渡部篤郎だから許せるってもんだね。
最終話~約束の場所へ
夏澄の同級生の結婚式がいつもの居酒屋で開かれ、呼ばれた直は百人一首の歌を詠む。
つくばねの 峰より落つる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる
先生風に意味がわかる人は?と聞くと、夏澄が答える。
筑波の山の峰から落ちてくる小さな流れも、いつか積もり積もって大きな流れになるように、男と女の心も積もり積もって大きな流れとなるのです。私の恋もいつか積もり積もって深い淵となるでしょう。積もり積もったあなたへの思いはたとえ何があっても消えることはありません。絶対に
数日後、朋子と直の結婚式が行われる。誓いの挨拶で朋子のストップが入り、ここぞとばかりに溜まっていたうっぷんをぶちまける。チャペルで家族で大喧嘩。
言いたいことを言い合って、なんだかんだで家族仲直りして、4人の仲を壊すことは出来ないとのことで、直ちゃんは一人旅立つ。
2年半後
夏澄が仕事で訪れた学校で直が古文の授業をやっていた。二人は満開の桜の木の下で歌を詠む。
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ
訳:川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が二つに分かれても最後は一つになるように、あの人といつかは一緒になろうと思うのだ。
ー完ー
居酒屋で直が詠んだ和歌に、夏澄が説明するところはキュンときたわ。
公開告白だよね。
そこでthe endでも良かったくらい。
その後の、直と朋子の結婚式での暴露合戦は恐怖だったー。役者って凄いわ。
ヒロインにとってはハッピーエンドだけど、姉の元婚約者と結ばれるってのはどうなんだろう…。家族で集まったりすると気まずいよねぇ
最後の歌はコナン君の『から紅の恋歌』にも出てた和歌だよね。こんな最後だったんだ。すっかり忘れてた。和歌を詠んで終わるなんて、今までのホラーはどこへってくらいお洒落じゃん。桜が満開だからドラマ始まった頃に最後のシーンだけ先に撮影したのかしら?
あとがき
主人公の直ちゃんがクズすぎて、その男を取り合う姉妹のご両親が気の毒だった。
誰一人として共感できるキャラがいなかったのに、最後まで楽しんで観ることが出来たドラマって珍しい。
その理由としては、和久井映見と渡部篤郎の無理な設定もリアルに見せてしまう演技と、画面に映り込むだけでどんくさそうな深キョンの可愛さがあったからだと思う。
驚くことに、このドラマから17年経った今でも、深キョンの演技は全く変わっていなかった。
けれど、今でも第一線で活躍しているのは凄いことだと思う。眉毛が無くて化粧も濃いし体形もあれだし、脇役の女優よりよっぽど難があるのに、なぜだか画面に映ると目が離せなくなる。不思議な存在感だ。
古文の先生の渡部篤郎がめちゃくちゃタイプなので、ホラー要素は盛り込まず、この先生と女子高生の深キョンで恋愛ドラマ全11話を観たかったな。
DVD購入!(2019年7月7日追記)
このドラマは動画配信サービスのパラビで視聴していたのですが、5月末で解約したので観れなくなってしまって…。DVD欲しい!ってなって中古で買っちゃいました。税込8,950円で、保存状態がなかなか良くて満足してます。
驚くことに特典映像はたったの4分!!4分ですよ!4分!!
その4分の中身とは、脚本家の大石静と渡部篤郎が対談してる一部分なんだけど、それがなかなか濃いの。
大石静さんは渡部篤郎のセリフのところだけト書きを書かないそう。自分の脚本に足りないところを渡部篤郎に補ってほしいから、わざと書かないんだって。すごい信頼関係だね。
それを知ったうえでドラマを見返すと、あれも!これも!アドリブか!(監督の指示もあると思うけど)なんて思いながら観るから楽しいの。
そして、対談しているときの渡部篤郎が、椅子にゆったり腰かけて余裕な大人の雰囲気。劇中のオドオドした直ちゃんと全然違う!好きがさらに加速しました。
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