2014年TBSの秋ドラマ「Nのために」を紹介します。
10年前のクリスマスイブに起きた殺人事件。そこに偶然居合わせた4人は顔見知りだった。
物語はそれからさらに5年前、主人公・希美(榮倉奈々)の高校時代からスタート。
田舎の島で暮らす希美の家庭環境が最悪なんだけど、いつも寄り添ってくれる同級生の成瀬くん(窪田正孝)が優しいのなんの。
キスも壁ドンもないけれど、キュンキュンが止まらない~
微妙な心の動きを丁寧に描いてくれているドラマなので、どっぷりNの世界を堪能できてオススメです。
「Nのために」全10話
原作:湊かなえ「Nのために」
脚本:奥寺佐和子
演出:塚原あゆ子 他
主題歌:家入レオ「Silly」
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・キャスト
・1話:15年前の秘密
・2話:罪の共有
・3話:東京での出会い
・4話:セレブ夫婦
・5話:N作戦
・6話:水平線
・7話:優しいウソ
・8話:N作戦2
・9話:失恋…
・10話:Nのために
・あとがき
キャスト
★杉下希美 :Nozomi Sugishita
(榮倉奈々)
上昇志向が強い頑張り屋な女の子
1999年:高校2年生。瀬戸内海の島に住む
2004年:大学4年生。東京の野ばら荘で下宿
2014年:東京のデザイン事務所勤務
★成瀬慎司:Shinji Naruse
(窪田正孝)
希美の高校時代のクラスメイト。将棋が得意。老舗料亭さざなみの一人息子
★西崎真人:Masato Nishizaki
(小出恵介)
野ばら荘の住人。小説家志望。2004年殺人の容疑で逮捕される
★安藤 望:Nozomi Ando
(賀来賢人)
野ばら荘の住人。希美の一つ先輩。素直で正義感が強い性格
★野口夫妻:Naoko・Takahiro Noguchi
(小西真奈美・徳井義実)
高層マンションの住人。2004年に殺される
1話:15年前
1999年 秋
婿養子で家業の建設会社を立て直した父(光石研)は、好きな女と自由に暮らしたいと言い、家族を追い出した。お父さんこわー
月10万円の仕送りで母(山本未来)・希美(榮倉奈々)・弟(葉山奨之)はボロ家で暮らすことに。
母は贅沢な暮らしを忘れられず、散財するばかり。希美は父の愛人に頭を下げて、おかずを分けてもらう。
翌年、弟は父の援助で寮がある高校へ。
母は相変わらずダメ人間なまま。
どん底の希美はクラスメイトの成瀬くん(窪田正孝)と未来を語り合う。
「下は見ない。上を向く」
2004年12月24日 東京
高層マンションに住む野口夫妻が殺された。容疑者は不倫相手の西崎(小出恵介)だった。そこには、希美と成瀬くんと安藤(賀来賢人)がいた。
2014年
出所した西崎のもとに、高野さん(三浦友和)がやってきた。西崎は事件の担当の弁護士に、こう語っていた。
<すべてはNのために。俺たちがやったのはそういうことだ>
ずっと目頭が熱くて苦しかった。1時間があっという間ですわ。
15年前の始まりがとっても爽やかでキラキラしてたのに、急展開で怖かったー。お父さんとお母さんのキチガイっぷりがトラウマになる。
こんな両親のもとでどん底な希美だけど、イケメンの成瀬君がそばにいてくれるのは羨ましい。泣きたいときは必ず現れてくれるの。希美はしっかりしてて可愛いもんね。
ボサっとした髪型が高校生っぽさ満載。成瀬君と身長が同じくらいだから、対等な関係性が出てていい感じ。
2話:罪の共有
2000年 夏
希美は奨学金を借りて東京の大学を受験しようとしていた。成瀬君とフェリーで本土の本屋を訪れることに。かわいいー
そんなとき、母はクレジットカードで散財。父は助けてくれず、バイトで貯めたお金で返済をする。
<だれか…たすけて…>
希美は過去への執着が酷い母が嫌で、前の豪邸を放火しようとオイルを購入。成瀬君に見つかってしまい、全力で止められる。
その後、成瀬君ちの老舗料亭さざなみが経営不振で売却が決まる。
夜になり、さざなみから火の手があがる。もしかして犯人は成瀬君?
成瀬君は駐在所の高野さんに問い詰められる。そこに希美が割って入り、ずっと一緒にいたとウソの証言をする。さらに自分用の奨学金申請の封筒を成瀬君に渡し、申し込むよう念を押す。
<成瀬君、今まで助けてくれてありがとう…>
せつない~!
成瀬君は大好きな希美を助けたいけど、なんの力もない高校生だもんね。これはもどかしい。
でも希美にとっては十分救いになってる。火をつけたことは自分の身代わりにやってくれたことだから、とっさにウソをついてかばったんだろうね。
罪の共有ってところが「白夜行」を思い出した。
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3話:東京での出会い
2000年
成瀬君は希美から、警察に怪しまれないようにと距離を置かれていた。そんなとき、奨学金の審査が通り、申し込んだのは自分だけだったことを知る。
一方、奨学金申請を諦めた希美は、依存母から部屋に閉じ込められ絶望していた。すると成瀬君からのフェリーの切符を発見する。島を出て行く時は乗船券をプレゼントするって約束したやつね。
思い立った希美は、ゼネコン業者が集まる会に割って入り、父の足元に土下座する。
気まずい父は了承し、大学進学の道をゲットする。
2001年
希美は東京の大学へ進学し、激安の野ばら荘に下宿する。
翌年の台風の時、同じ下宿先に住む西崎(小出恵介)と安藤(賀来賢人)と仲良くなる。
希美ちゃんが強くて良い。さすがあのお父さんの娘だけあるわ。
ゼネコンの人たちみんな大卒なんだろうね。あの愛人が中卒だとサラっと発表したり、外面が良いモラハラ父をやっつけてスッキリしたわ。
4話:セレブ夫婦
2002年
西崎は火にトラウマがある模様。母親から虐待されていた?西崎が希美に質問する。
「杉下にとっての愛ってなに?」
「罪の共有…。共犯じゃなくて共有」
そんなとき、同窓会のお知らせがあり、希美は島へ。母親が漁港で働いてる!すると成瀬君のお父さんの訃報が入り、急遽お葬式へ(涙)
2003年5月
再開発の建設予定地に野ばら荘とみどりビルの土地が含まれていた。西崎はみどりビルのオーナーが建設に反対していることを知り、息子の貴弘(徳井義実)を味方につけようと「N作戦」を提案する。
そして希美と安藤は貴弘氏主宰のボランティア活動に参加するため沖縄へ。
一方、成瀬君は父の死から立ち直れず、大学をズル休みしていた。同級生から怪しい仕事を紹介される(ダメー!)
お葬式のときの2人の距離が切なかった。演技がお上手ですわ。
小説家志望の西崎さんがそれっぽくて、なかなかいい味出してて好きなキャラだな。実際いたらウザいだろうけど。徳井も胡散臭い二世って感じが出てるよね。高野さんの奥さんのなっちゃんも好きだな。
みんなキャラ立ちしてて、不要な人がいない。見ていて安心だし楽しい。
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5話:N作戦
2003年
沖縄に着いた希美と安藤は、スキューバダイビングに参加する。初心者の野口夫人(小西真奈美)は水中でパニックを起こし、安藤が救助。お礼として夫妻が宿泊中のホテルに招待される。
そこで野口(徳井義実)の趣味の将棋で安藤と一局交え、さらに仲良しに。
その後、酔っ払った安藤は希美にキスをする。
東京に戻ってからも野口と交流は続き、流れでビルの売却をしない旨の言葉をゲットする。
よってN作戦は大成功。
関心する西崎に、希美はダイビングのときに、奈央子のタンクのバルブを少し閉めたと告白する(えー!)。
そんなとき下宿先に久々のお母さん登場。恐怖におののいていると、弟曰く、民生委員の人と結婚すべきか相談しに来ただけだったみたい(ほっ)
一方、どん底の成瀬君は、オレオレ詐欺の受け子やっていた(あれま…)。現行犯逮捕されてしまう。
希美ちゃんの足がめちゃくちゃ長くて綺麗。
たまに差し込まれる高校時代の映像が爽やかだよね。色々あったなぁ…。成瀬君どうなっちゃうんだ…。希美ちゃんより気が弱いから心配。
手話で話すなっちゃんが切ない。ストレスで14年も話せないままなのか。
6話:優しいウソ
2003年
奈央子は西崎が執筆した「灼熱バード」を読んで感銘を受けた模様。
「鳥はあなたなんでしょ?籠の中から逃げてきたのね」
一方、新宿で捕まった成瀬君は、島にいる高野さんに迎えにきてもらう。
2004年
母の結婚を年賀状で知る希美(おめでと)
西崎から「罪の共有」の話を聞いた安藤は、ただの自己満足だと言い放つ。自分なら刑務所から出てくるまで待つとか。
「君の人生は正しくて美しいな」
そんな安藤は、希美が乗りたがっていた窓掃除のゴンドラの免許を取ったとか。愛の力は偉大だね。てかこんな勝手な事していいの?見つかったらクビでしょ。
安藤の清い心に希美は感化され、料理の作り置きをやめるとな。大家のじいさんに何かあった?と聞かれて、
「世界は広いんだなと思ったら、冷蔵庫の隙間くらいどうってことないなって」
「苦労はね、忘れるのが一番」
泣くーー
そんなとき、奈央子は夫からDVを受けていた。西崎の虐待の痕を見つけて、仲間意識が芽生えた模様。2人は体を重ねて慰めあう。
一方、成瀬君は心を入れ替えたみたい。大学を退学し、レストランで働くことに(がんばれ!)
2014年
3年前に胃がんの手術をした希美は、再発して余命1年だとか。疑いの目を向ける高野さんを呼び、事件について語りだす。
<残された時間を、あなたを守るために使いたい>
旦那のDVと幼児虐待が出てきて見るのツラい…。前半の島の暮らしがよかったな。やっぱ成瀬君がいないとつまんないのよ。
余命1年とか急すぎない?これじゃどうなってもハッピーエンドにならないじゃん。イヤだな~。
7話:N作戦2
2014年
安藤は10年前の事件の日に、希美に渡す予定だった婚約指輪を渡す。
「1度も付き合ってないのに、思い切りが良すぎる…」
そうだったの?!?!もちろん10年越しのプロポーズも断られてしまう(どんまい!)
2004年
野口氏は妻が流産して不安定だから徘徊して事故に遭わないよう、玄関扉の外側にドアチェーンをつけていると希美たちに説明する。こわー
その後、希美と成瀬君は同級生の結婚式で久々に島で再開する。
成瀬君は大学を中退して、料理人になるべくレストランで働いていた。奨学金を譲ってくれた希美に頭を下げる。
当時、シャーペン5回カチカチしたのを「ばかやろう」だと思っていたら、
「よかったね」
だったみたい。それはよかったね!
東京に戻った希美は、西崎の不倫を軽蔑しつつ、やはり奈央子が心配だとか。
西崎は愛する奈央子を助けようと、セキュリティが厳しいマンションに入るために、成瀬君のお店の配達を利用することを思いつく(思いつかなくていいから)
希美が奨学金の申請書を渡した理由を優しいウソで誤魔化すところ泣けた。でも成瀬君は希美がお父さんに土下座してたのを見てるよね。成瀬君も知らないふりしてあげて、優しいなぁ…
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8話:失恋…
2014年
さざなみの放火事件が来年で時効になるらしい。高野さんは2004年のセレブ夫婦殺害事件で希美と成瀬君が関わっていることを知り、疑いがさらに深まっていた。
一方、老い先短い希美は西崎さんちを訪れ、思い出話に花が咲く。
「この10年には意味があった」
2004年
成瀬君は西崎の「N作戦2」を一旦断るが、思い直して協力することに(やめときなってー)。出張サービスの予約がキャンセルになったクリスマスイブに日取りが決まる。
さっそく3人は当日の作戦を考える。ちなみに安藤は蚊帳の外。
成瀬君は希美と久々に同じ時を過ごし、良い感じだと思っていた。しかし安藤が希美にプロポーズしようとしていることを知り、勘違いに気付く。
希美は本心を見せずにイケメンたちを飼い殺ししてズルいよね。美味しそうなケーキやら蟹やらイケメンたちがプレゼント持ってきたり、泥酔しておんぶして連れて帰ってくれたり、なんなんだ?この世界は?
9話:放火事件の犯人
2014年 現在
高野さん(三浦友和)の妻なっちゃん(原日出子)がいなくなった。
置手紙には、放火事件の犯人は成瀬君の父・周平だと書かれていた(早くいいなよ~)。当時、助けに入ったなっちゃんは、証拠隠滅に協力してしまったとか。
高野さんはずっと疑っていた成瀬君に頭を下げる(もっと謝れー!)
西崎は一人で終末を迎えようとする希美を案じて、安藤に質問する。
「杉下がボロボロなつり橋の向こうで助けを求めていたらどうする?」
「杉下はそんな簡単に助けてって言わない」
そういえば10年前の事件のとき、希美は成瀬君に助けを求めていたなぁ…
その後、西崎から秘密を聞いた成瀬君が、10年ぶりに会いに来てくれた!春には島でオープンするレストランに誘われてるとか。
「一緒に帰らん?ただ…一緒におらん?」
帰りなよー。一緒におりなぁ。
2004年12月24日
計画では、希美が将棋で野口を書斎に足止めしている間に、花屋のふりした西崎が奈央子を連れ出してDVシェルターに保護することになっていた。
しかしクリスマスイブの混雑で、西崎は時間通りに来なかった。
もー西崎は花束くらい先に準備しときなよ。
高校時代に放火事件があったとき、車に乗り込んだ成瀬君に希美がかけた言葉。ずっともったいぶって、何を言ったのか気になってたけど、大したことなかったね。
10話:Nのために
2004年12月24日
やっとエントランスに着いた西崎は、安藤とばったり会ってしまう(もーあんど~)
安藤は、成瀬君も計画に参加していることを知り、西崎が野口家に上がった後で玄関扉の外側のチェーンをかけた(はぁ?)
ピンチになったときに、希美が誰に助けを求めるのか試したみたい。
家の中では西崎が奈央子を連れ出そうとするが、奈央子は「希美を連れて帰ってほしい」と懇願する。どうやら夫と希美の仲の良さに嫉妬している模様。
一方書斎では、この一局の勝利で安藤が僻地へ転勤になる、と野口が言う。希美は安藤を守ろうとして、妻の逃亡計画をバラしてしまう。
激おこの野口は西崎を見つけてボコボコに。西崎はチェーンのせいで逃げられない…(悲)
すったもんだの末、奈央子が燭台で夫を殴り殺害。そして愛する夫の後を追って包丁で自殺した。
「奈央子を刺した野口を、俺が殺した」
西崎は希美に真実を捻じ曲げるようお願いする。なんか複雑な思いがあるんだね。希美が戸惑っていると、フロントから電話がかかってきた。
「助けて!成瀬君!」
成瀬君が外側のチェーンを外して中に入ると、惨状が広がっていた。
「大丈夫。全部偶然だって言えばいい」
そして西崎は自首をする。
10年後 冬
火事の犯人がわかったり、生まれ変わったお母さんに病状を聞いてもらったり、成瀬君からプロポーズされたり、希美の周りで急速に動き出す。
安藤は真実を何も教えてもらえないままここまできたけど、それをみんなの優しさだと受け取れた模様。
西崎さんが「この10年に意味があった」って言ったのはそういうことか。
春
希美は成瀬君にもらったフェリーのチケットで島へ。成瀬君のレストランに来たよ!
成瀬君は希美を抱き寄せる。
ー完ー
なんなんだ…この幻想的な世界は…
2004年の事件現場がドラマティックだったー。引き込まれたわ。みんな若いのに上手だよね。
そして後半の現代は、みんながみんな優しくて、号泣ですわ。主題歌に乗せて振り返り映像がズルい。
希美はなんであんな高スペックな安藤にそっけないんだ、とか思ってたけど、10年前にあのチェーン掛けたってのは、ちょっと引きずる。てか人としてヤバいよね…。仲間外れでムカついたんだろうけど。
希美は真っ当な道を歩く安藤を守りたかったんだろうね。生きる世界が違う人だったんだろうな。
あとがき
はぁ切なかった。島の大自然も相まって、とても美しい物語だった。
みんな上手な役者ばかりで余計な登場人物がいないの素晴らしい。このキャスティング好きすぎる。
西崎さん演じる小出恵介がなかなかいい味出してたよね。後半の第二幕の主人公になってた。心に秘めた熱い思いを、小説を読んでるかのような語り口で話すの。なかなか難しい役だったと思うけどお上手でした。
希美ちゃんの15年間の成長を見守れて楽しかった。女性はメイクや髪型で年相応に見せられるから、雰囲気が出てたね。男性陣はずっと年齢不詳だったけど。
最後は希美の方から成瀬君を選んでくれて良かった。きっとこの後、画期的な治療法が見つかって、長生きしてくれてると思う。島で成瀬君と2人でのんびり暮らしてほしい。
私も再放送の最終回を偶然見て、それまでのあらすじが思い出せずに
探したところ、こちらでスッキリしました!
感想、笑いました!同じ事思ってました!ありがとうございました。
Mさん、コメントありがとうございます。
ほんと面白いドラマで今でも大好きです。
偶然最終回の再放送を見てしまい、こちらで確認しました。端的で的確なまとめと、共感するコメント笑ありがとうございました!
ぶーさま
こちらこそ。コメントありがとうございます!
すごく分かりやすく、シリアスな作品なのにほっこりするレビューで読んでいて楽しかったです👏
活字ざんまいさん、ありがとうございます!