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トラヴィス・フィメル出演「氷の素肌」こじらせ男の恋愛映画~ネタバレ感想


『ヴァイキング~海の覇者たち』の主役ラグナル役のトラヴィス・フィメルの過去作を見たくて中古DVDを購入しました。

「氷の素肌」と邦題をつけた人は、この映画を観たのか?

主人公は従順なただのおバカな女の子で、男性主導の物語だった。原題の「Restraint(束縛)」だとしっくりくるのに、何で変えたんだ?

テリーサのすっぽんぽんが売りの映画みたいだけど、潔すぎてエロティックさはあまり無いので、女性でも楽しめる感じ。てか好きな部類の映画だった。

タイプの違うイケメン2人が、なんだかもの悲しい側面を持っていて、親身になってしまう。

『氷の素肌~ネイキッド・シンドローム』

原題:Restraint
公開年:2007年
上演時間:1時間34分
オーストラリア制作

 

キャスト

★デール:テリーサ・パーマー
ボインのストリッパー

★ロン:トラヴィス・フィメル
デールの彼氏。怒りっぽい28歳

★アンドリュー:スティーヴン・モイヤー
広場恐怖症のアートコレクター。大きな屋敷に一人暮らし

 

はじまり

田舎町のガソリンスタンドに立ち寄ったデール(テリーサ・パーマー)とロン(トラヴィス・フィメル)。

やさぐれたデールがめちゃくちゃ可愛いし、イカれたチンピラのロンがイケメンすぎる。

そこで店主とひと悶着あって、ロンが衝動的に撃ち殺してしまった。そのまま車で逃走する2人。あらあら…

ちなみに車には、デイルが勤めるストリップ店の店主の遺体が載っていた。ロンが借金したせいで、デールが体を迫られて、ロンが殺したとか。

全てが衝動的で、この先上手くいきそうにない。

 

お屋敷に潜入

2人は車を乗り換えるため、近くの屋敷へ潜入する。そこで家主のアンドリュー(スティーヴン・モイヤー)と鉢合わせする。

大人しそうなアンドリューだけど、こちらもめちゃくちゃイケメン。引きこもりなんてもったいない。

そしてニュースで流れてきたロンの指名手配の写真が、タレントの宣材写真みたいで爽やか~。なぜ?

ロンはアンドリューをATMへ連れて行こうとするが、広場恐怖症で外に出れないとか。

夜、バスルームに拘束されたアンドリューのもとに、裸のデールがシャワーを浴びにやってきた。脱ぎっぷりが良く、絵画を見ているかのように美しい。

 

婚約者に変装

アンドリューは命を助けてもらうために、海外にいる婚約者にデールがなりすまして、銀行で信託基金をおろすことを提案する。

彼女に似せて金髪に染めたデール。男性2人には好評だけど、私は茶髪の方が好きだな。

そんなとき、ニュースではデールの事も指名手配として名前があがっていた。

ロンに心を支配されているデールは、イヤだけど行くしかない状況。そんな彼女にアンドリューが励まして自信をつけさせる。

「君にしかできないことだよ」

これは惚れてまう。

そして、ロンがオレンジの汁をびっちゃびちゃにこぼしながら食べてるの気になりすぎた。紳士なアンドリューに対して、こちらは野生の魅力があるね。

 

留守番の2人

上品な女性に変身したデールが銀行へ行っている間、ロンとアンドリューはお留守番。

ロンは自分に無いものを持ったアンドリューに嫉妬してる。

一方、アンドリューは彼女の心が自分に向き始めているのを感じ取って、強気発言。

「いずれ君はふさわしくないと気付く」

ロンは言い返す前に手が出てしまうよね。とっくっみあい中に銀行から電話がかかってきた。アンドリューが答えたパスワードは、

「Restraint(束縛)」

これはちょっと恥ずかしい。

帰ってくるまで仲良くカードゲームしてるし。ロンは強がってるけど、かなりの寂しがり屋だね。

 

祝勝会

上手くお金をおろせたデールが興奮しながら帰って来た。特別扱いしてもらって嬉しかったみたい。

「君なら出来ると思った」

ずるいわ~。アンドリューが地道にポイントを稼いでる。

一方、ロンはガサツで可愛すぎる。お祝いのシャンパンに、手づかみですくったアイスを投入。そこら中べっちゃべちゃで、お母さんに怒られるやつ。

その後、なんだかんだで穏やかな時を過ごす3人。でもロンは急にキレたりして情緒不安定。デールは一緒にいて気を遣って疲れるだろうな。

 

タブーな質問

アンドリューの婚約者は実は金目当てで近づいてきたサイテーな女らしい。

ロンはそんな婚約者の荷物をまだ持っていることに疑問を感じるが、デールはそこが素敵だと言う。

するとロンが怒りだした。

「俺を愛してるか?」
「どう思うの?」
「そう信じたい」

デールはこんなに尽くしているのに、ロンから疑いの目で見られて、ぽろぽろと涙を流してる。素っ裸よりも色っぽい。

彼女が悲しんでいるのに、ロンはまた愛を試すように、アンドリューを誘惑して高価なネックレスのありかを聞き出せと命令する。

自尊心の低いデールはロンに嫌われたくなくて従うんだよね。

 

愛情の裏返し

デールはアンドリューの部屋を訪れて、そのうちキスをしてしまう。

一方、愛情の裏返しで素直になれないロンは、やっぱり気になって慌ててアンドリューの部屋へ。顔周辺の匂いを嗅いでる。

デールの残り香?

そしてシャワーを浴びるデールの元へ。キスをしようとするが、顔をそらされてしまう。時すでに遅し…。あーあ。

細いのにおっぱいが大きいです。

 

2度目の留守番

今日もデールは上品な服に着替えて銀行へ。

「口紅の色が濃すぎる」というアンドリューの注意をちゃんと受け入れて直してる。

その後、留守番するロンはアンドリューに我慢ならない模様。

助かりたいアンドリューは、自分の父を殺したことを告白する。父は自分の婚約者と寝ていたらしい。

地下に殺した証拠の写真があるから取りに行くことになり、ロンの危険フラグがむんむん。

やっぱりロンが地下に閉じ込められてしまう。なんとか這い上がって、家の中で追いかけっこ。

アンドリューもはやこれまでか、なとき、警察がやってきた。

なんとか誤魔化してるとデールが帰って来た。婚約者の振る舞いをするデールを、こっそり見守るロンは疎外感を抱く。

 

人生上手くいかないロン

突然、自分語りを始めるロン。

15歳の時、自動車事故に出くわして、助けが来るまで挟まれたサラという名の女性に話しかけていたとか。

でも助けが来たとき、その女性は既に死んでいた。父や周りの人から変人扱いを受け、何もかもが幻となった。

ただ一つ、デールだけが自分にとって現実だと言う。

でもアンドリューと出会ってしまったデールは、自分の知らない表情を見せる。心が遠くへ行ってしまった…

ロンだけ置いてけぼり感がめちゃくちゃ切ない。

 

究極の選択

ロンは充填した銃をデールに預け、アンドリューの頭にビニール袋をかぶせた。

止めようとするデールはロンに銃口を向ける。

「お前が決めろ。死ぬのはどっちかだ」

デールはそのまま引き金を引いた。しかし弾は入っていなかった…

ロンのこういう愛情を試すやり方が、彼女の心が離れる原因なのに、不器用すぎる。

その後、ロンは車の排ガスをホースで車内に入れて、デールを閉じ込めた。愛が憎しみへと変わってしまったみたい。悲しい…

アンドリューは頑張って家から外に出て、倉庫に道具を取りに行く。追っかけて来たロンを倒しつつ、デールを車から保護する。

心臓マッサージがボインで跳ね返されてる。そこにロンが襲い掛かる。

目覚めたデールはロンに杭を突き刺し殺害する。えーこれは悲しすぎる。でも自業自得ってやつか。

 

2人になったその後

デールはアンドリューから自首を勧められるが、「愛している」と言って誘惑する。

すっかりその気になったアンドリューは、「ガブリエル(元カノの名)」と呼びながら、デールを抱く。きめー

朝、目覚めたデールは途方に暮れていた。

一方、ウキウキなアンドリューはレコードをかけて踊ってる。

ー完ー

シュールな終わり方がまさにホラーだ。

あの湖に浮いてたのは婚約者でOK?父の事は殺したの?殺してないの?その辺はっきりしないけど、紳士風のアンドリューは、実はサイコパス野郎だったってことね。

デールのダメンズの引き寄せ力がハンパない。

 

感想

もっとエロを強調した映画かと思ったら、男2人の切ない恋物語だった。

狂ってるんだけど、哀愁漂った背中に惹きつけられてしまう。イケメン無罪ってやつか。2人とも外見が好みのタイプだったから、最後まで楽しめた。

トラヴィス・フィメルはキレ芸が上手だよね。しかもポップで憎めないところがあって、なぜか味方になってしまう。ガサツなところが母性本能をくすぐるし。人間的に魅力のある人だ。

この映画って配信はどこにもなく、DVDもレンタルのみ。ネットフリックスと相性が良さそうな映画だから、見れるようにしてくれるといいのに。このままこの作品が忘れ去られてしまうのは、もったいないと思う。


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